サステナビリティ

地球温暖化の防止

平均気温上昇による農作物、生乳生産への影響や、豪雨、洪水などによる製造拠点や物流拠点の被害など、地球温暖化は雪印メグミルクグループの事業活動に大きなリスクをもたらす可能性があります。気候変動への対応は重要な課題の一つであることから、雪印メグミルクグループでは、2030年度までにCO2排出量を2013年度比で50%削減するKPI(重要管理指標)を設定しました。今後、「ボイラ設備の燃料転換」「ホエイのバイオマス処理」「太陽光発電設備の設置」「再生可能エネルギーの購入」等を順次進めていきます。また、2021年10月にTCFD提言への賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに加盟しました。今後もTCFD提言に基づく気候関連の情報開示を積極的に進めていきます。

CO2排出量に関する目標

重要課題(マテリアリティ)KPI 基準年 2021年度実績 達成目標
CO2排出量を削減する。(※) 2013年度 18.4%削減 2030年度
33.3万t-CO2 50%削減

[対象範囲]
※ 雪印メグミルク(株)、いばらく乳業(株)、甲南油脂(株)、直販配送(株)、みちのくミルク(株)、八ヶ岳乳業(株)、雪印種苗(株)、雪印ビーンスターク(株)

CO2排出量とエネルギー使用量の推移

<CO2排出量>

※雪印メグミルク(株)単体
※スコープ1とスコープ2の合計値

<エネルギー使用量(原油換算)>

※雪印メグミルク(株)単体

サプライチェーン全体におけるCO2排出量(スコープ3)

地球温暖化の防止にむけて、雪印メグミルク(株)自身のCO2排出量だけでなく、その上流において購入した原材料等の製造・輸送に伴う排出量や、下流において雪印メグミルク(株)が製造・販売した製品の流通・使用・廃棄などに伴う排出量を、サプライチェーンの各段階で算定・把握し、サプライチェーン全体で効率的に削減することが求められています。
雪印メグミルク(株)では、『GHGプロトコル「スコープ3基準」』*に基づき、サプライチェーン全体の排出量の算定を開始しました。

*GHGプロトコルとは、温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の基準で、GHGプロトコル「スコープ3基準」とは、サプライチェーン排出量に関する国際的基準の1つ。

<2021年度実績>

*カテゴリ8~11、13~15は算定外

「サプライチェーン排出量算定の考え方」(環境省)を加工して作成

フリークーリング設備導入による省エネ

雪印メグミルク(株)では、大樹工場において既存のブライン冷却システムへの新たな省エネ対策として、寒冷地の気候を利用したフリークーリング設備の導入に取り組みました。フリークーリングとは、外気温低下時に冷却ファンと熱交換器を用いて、外気でブラインを冷却する自然エネルギーを利用した設備です。外気温が低いほど効果を発揮し、従来の冷凍機に比べ約3倍の運転効率となります。フリークーリングを導入した冷却システムでは、厳冬期には電力使用量を従来比で約30%削減することができました。

  

フリークーリング設備

CO2冷凍機ハイブリット化運用による省エネ

近年、世界的にオゾン層破壊や地球温暖化対策が求められる中、冷凍冷却設備で使用されている冷媒ガスについては、自然冷媒ガスへの注目度が高まっています。
野田工場では、製品冷蔵庫に雪印メグミルク(株)初となるCO2冷凍機への更新を行いました。CO2冷凍機は既存のR410A冷凍機と比較すると、外気温が高い場合はR410A冷凍機の方が効率が良く、外気温が低い場合はCO2冷凍機の効率が良くなる特徴があります。更新に当たりR410A冷凍機と組み合わせることで、季節に応じ常に高い効率の良い冷凍機を先発運転できるようにハイブリット化運用を行いました。この結果、更新前よりも約40%の電力が削減できました。

  

CO2冷凍機

アイスビルダー更新による省エネ

いばらく乳業(株)では、環境負荷の低減のためエネルギー使用量の削減に向けた省エネ対策に取り組みました。3月に更新したアイスビルダー(氷蓄熱タンク)は、氷蓄熱槽を従来の約1.7倍とし、夜間電力を最大限活用した冷凍機の運転を行い、夜間時における氷を蓄える能力を向上させました。製品の冷却などに使用している冷却水は、夜間の氷蓄熱能力が向上したことで、日中の冷凍機運転時間も従来に比べ大幅に削減することが可能になりました。更に、冷凍機および送水ポンプもインバーター化にしたことで、電力使用量も従来比で約13%削減できました。


アイスビルダー

モーダルシフトへの取組み〜エコレールマークの商品認定〜

モーダルシフトとは、貨物輸送を自動車から鉄道・船舶へと切り替えることでCO2排出量を削減し、環境負荷を削減する手法です。雪印メグミルク(株)は、北海道の工場で製造した商品の北海道外への輸送についてモーダルシフトを積極的に進めており、2007年9月より継続してエコレールマーク取組企業の認定を受けています。特に練乳類については道外販売分の100%が鉄道輸送であり、現在、練乳など7品目でエコレールマーク商品認定を受けています。

カーボンオフセットの取組み

カーボン・オフセットとは、植林などの森林保護やクリーンエネルギー事業で削減されたCO2をクレジットとして購入することにより、企業活動で排出されたCO2の一部を間接的に埋め合わせ(オフセット)する制度です。
雪印メグミルク(株)は、中標津町(北海道)の「中標津町町有林J-クレジット」、大樹町(北海道)の「晩成温泉への木質バイオマスボイラー導入事業に係るJ-クレジット」を購入しています。2021年度は「北海道 道有林オフセット・クレジット」を購入することを通じて、北海道の森林保護に寄与しています。

森林再生の取組み

雪印メグミルク(株)は、神奈川県の「森林再生パートナー制度」に参画しています。「森林再生パートナー制度」とは、同県が提唱する「かながわ森林再生50年構想」に賛同する団体や企業が県とともに森林の再生に取り組む制度で、県の指定する森林にパートナー企業が名前を付けることができます。雪印メグミルク(株)海老名工場が、神奈川県の森林から水源の恩恵を受けていることから、2022年3月に「恵 megumi の森」と名付けました。今後5年間に渡る森林整備や自然観察など従業員参加の活動を通して、環境保護やボランティアに対する意識を高めるとともに、水源涵養やCO2吸収促進に向けて支援していきます。


恵 megumi の森

 

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