雪印メグミルクグループで使用する原材料の調達先は世界各地に及びます。限りある資源を有効利用するため、環境に配慮した紙や認証パーム油の使用拡大に努めるとともに、容器包装における石油由来のプラスチック使用量を2030年度までに2018年度比で25%削減するKPI(重要管理指標)を定め、脱プラスチックに向け新たな取組みを開始しています。今後も「雪印メグミルクグループ 調達方針」に基づき、人権や環境に配慮した原材料を積極的に採用し、公正な取引による調達活動を行い、持続可能な社会作りに貢献します。
資源の利用に関する目標
重要課題(マテリアリティ)KPI | 基準年 | 2021年度実績 | 達成目標 |
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使用する紙を100%環境に配慮した原材料にする。(※1) | - | 87.1%使用 | 2022年度 |
100%使用 | |||
認証パーム油100%調達を目指す。(※1) | - | 20.4%調達 | 2026年度 |
100%調達 | |||
環境に配慮した包装容器を開発・使用し、石油由来のプラスチックの使用量(売上原単位)を削減する。(※2) | 2018年度 | 2.5%削減 | 2030年度 |
4.35t/億 | 25%削減 | ||
紙・バイオマスプラスチックの容器を優先して使用する。(※1) | - |
グループ内情報誌などにより、啓発活動を実施 複数の部署にて「マイボトル持参日の設定」「ペットボトル使用量の見える化」などを実施 |
毎年実施 |
ペットボトルの使用量削減のために、社内のマイカップ・マイボトルを普及推進する。(※1) |
[対象範囲]
※1 雪印メグミルク(株)
※2 雪印メグミルク(株)、いばらく乳業(株)、八ヶ岳乳業(株)、雪印ビーンスターク(株)
サステナビリティ調達に関する取引先調査の実施
社会の持続可能性を高めるサステナビリティ調達の促進に向けてサプライヤーの皆様とともに取組みを進めるため、「雪印メグミルクグループ 調達方針」に基づき、2020年10月、サステナビリティ調達に関する調査を実施しました。調査にはグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが作成した「CSR調達 セルフ・アセスメント質問表(SAQ)」を使用し、環境・人権など9カテゴリ、114問について調査対象である全245社から回答をいただきました。集計結果は、全社平均との比較とともに各社にフィードバックしました。
森林認証紙の使用
使用する紙については可能な限り、持続可能性に配慮した森林認証紙への切替えを順次進めています。適切に管理された森林および、そこから生まれた林産物に対する国際的な認証制度であるPEFCなどの森林認証紙を、「おいしい雪印メグミルク牛乳」などの商品容器に採用しています。商品に関わる紙容器や外装ダンボールだけでなく、印刷用紙・印刷物・店頭販促資材についても同様に取り組んでいます。
RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)への加盟
パーム油はアブラヤシの果実から得られる油脂で、近年世界で需要が急速に伸びています。そのため、農園開発がマレーシア、インドネシアを中心に大規模に行われ、多くの熱帯雨林が違法に伐採され、焼き払われたり、農園の労働者問題、特に児童労働などの温床になっていると指摘されています。
このような問題に取り組むため、2004年に認証機関RSPO※が設立されました。雪印メグミルク(株)も、健全なパーム油産業の発展を目指す趣旨に賛同し、2018年7月、RSPOに加盟し、認証油の使用を一部商品から開始しています。
※「Roundtable on Sustainable Palm Oil」の頭文字をとってRSPOと呼ばれる非営利組織。環境や人権に配慮した、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するために設立された。パーム油産業に関連する7つのセクターの関係者(パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品製造業、小売業、銀行・投資会社、環境NGO、社会・開発系NGO)の協力のもとで運営されている。
プラスチック使用量の削減
雪印メグミルク(株)では、プラスチック使用量削減による環境負荷低減を目指し、商品の容器包装に使用されているプラスチックの軽量化などに取り組んでいます。2020年度は「食感工房」シリーズの外包装を10%軽量化しました。
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「食感工房 とろけるカスタードプリン」 「食感工房 なめらかバナナプリン」 |
ペットボトルの作業服へのリサイクル
雪印メグミルク(株)の全16工場といばらく乳業(株)で使われる作業服の生地に1着当たり約18~29本の使用済みペットボトルを使用しています。年間では約57,000本のペットボトルが使用されています。生地を作るうえで、新しい資源の利用が削減されるとともに、使用済み資源の有効利用につながるなど、環境負荷の低減に貢献しています。
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シュリンク包装形態変更による省エネとプラスチック削減
雪印メグミルク(株)では、豊橋工場において熱収縮を必要としない新しい包装機「タイトラッパー」を採用し、従来比で37.5%のプラスチック使用量削減を実現しました。従来のシュリンク包装機ではダンボールケース全体をシュリンクフィルムで覆って熱収縮させるため、ダンボールケースに対して大きなフィルムを巻く必要があります。しかし、同包装機では、フィルムを収縮させる必要がないため、ダンボールケースに対して必要最低限のフィルム量でシュリンク包装することが可能となりました。また、フィルムを収縮させるのに必要であった熱も不要となり、作業環境の改善や省エネも期待できます。
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タイトラッパー包装機 |