ノルマンディ - フランスのチーズの産地【チーズの産地】:チーズクラブ

ノルマンディ

今回はチーズ王国として名高いノルマンディ地方をご紹介します。

バスク・ベアルヌ地方をひたすら北上しロアール川を越えると、広大な農地の先にノルマンディ地方があります。地名は北方のヴァイキング民族ノルマン人に由来します。英仏海峡に面するフランスの最北西部で、牧草地や果樹園、穀物畑が広がるのどかな田園地帯です。

メキシコ湾流の影響から年間を通じて雨が降ることと気温差が小さいため、牧草の生育に適しおり、冬でも緑豊かな牧場を見ることができます。そのため、協同組合を通じてバターやチーズの加工が盛んに行われています。その他、リンゴの果樹園が多く、リンゴの発泡酒シードルを蒸留して作られるカルヴァドスとよばれるお酒の産地でもあります。

チーズの散歩道

カルヴァドス地域のオージュ渓谷南に位置するカマンベール村からリヴァロポン・レヴェックへ連なる街道は「チーズの散歩道」と呼ばれています。今回はこの散歩道を歩きながらチーズをご紹介します。

カマンベール ~フランスでもっともよく食べられるチーズ~

フランスでブリーと並んでもっともよく食べられるチーズが、日本でもおなじみのカマンベールです。
オージュ渓谷南のカマンベール村が産地です。ブリー地方出身のマリー・アレルおばさんが1790年に最初に作ったと言われています。最初はブリーの1種でしたが、改良されナポレオン3世に気に入られたことから有名になりました。容器は土地のポプラの木を利用した木製の器です。チーズの型崩れから守るとともに、過剰なカビの繁殖も抑制する優れものです。

代表的なカマンベール「カマンベール・ド・ノルマンディ(Camembert de Normandie)」は、直径11cm、高さ3.5cmで、円盤状の白カビに覆われています。上品でクリーミィななかにもコクがあります。くせが少なく、ナチュラルチーズ初心者にも食べやすいチーズです。

1983年にAOCに認定されました。年間1万1000トンを11の生産組合と50数軒の農家で生産しています。

リヴァロ ~「大佐」と呼ばれるチーズ~

リヴァロは、長時間熟成することから、型崩れを防ぐためにアシで作った紐で銅を巻きます。その形がフランス将校の軍帽に似ていることからコロネル(colonel:大佐)と呼ばれるチーズです。ノルマンディ生まれのチーズの中でも古い歴史をもつと言われますが、確かな記録は残っていません。

ウォッシュタイプのチーズで、直径12cm、高さ5cm、重さ450gの円筒形。側面に3~5本の紐が巻かれており、赤褐色の表皮です。食塩水で表面を洗うため強いアンモニア臭が慣れない人にとっては強烈ですが、独特の風味と香りに魅せられる人も多いとか。

AOCに認定されたのは1975年のことです。1880年代には年間2200トンもの生産があったようですが、現在の生産量は1300トンほどで、5つの生産組合で作られています。

ポン・レヴェック ~修道士たちが作った~

ポン・レヴェックは、修道士たちによって作られ、12世紀にかかれた書籍の中で「アンジェロ」の名で登場するチーズでしたが、15世紀頃、土地に由来する現在の名で呼ばれるようになったようです。

ウォッシュタイプのチーズなのですが、比較的においは弱く風格があります。表皮は赤みがかった黄色で、四角い形と軟らかいのに弾力性が少ないのが特徴です。中身は白っぽい黄色で、切り口に小さな穴が一面にきらめいています。

1972年にAOCに認定され、年間3500トンを12の生産組合と7~8軒の農家で生産しています。

ヌーシャテル ~贈り物にピッタリのハート型がメジャー~

ヌーシャテルは、白カビタイプのチーズですが、いろいろな形状があるのが特徴です。 100gタイプでは樽栓(bonde)、煉瓦(briquette)、正方形(carre)が、200gはハート(coeur)、樽栓(double- bonde)、600gはハート(gros-Coeur)の6つの形状があります。日本の店頭ではハート型が多いようです。

19世紀頃、首都パリに登場したようですが、主にハート型が売られたようです。 若いチーズはベルベットのような白カビに覆われて、マッシュルームに似た独特の香りが楽しめます。若いものは12日、半熟成で3週間、熟成品は1~3カ月のチーズのことをいいます。

1969年にAOCに認定され、年間800トンほどを10数軒の農家と生産組合が作っています。

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