サステナビリティアクション

  • 環境負荷の低減

脱炭素ロードマップに基づいた主な取組み

A. 炭素価格

脱炭素ロードマップで掲げた施策に沿ってCO2排出量の低減を進めています。

脱炭素ロードマップについて

ア. ボイラ設備の燃料転換(施策a)

当社では、カーボンニュートラルの実現に向けた移行施策の一つとして、安定供給と燃焼時のCO2排出量削減の両立が期待できるLNGへの転換を進めています。
まずは生産工場におけるボイラ設備の燃料を対象とし、これまで大樹工場及びなかしべつ工場にて、重油からの切替えを完了しました。2025年度は京都工場における切替えを進め、全対象工場での転換を完了しました。
今後は、ヒートポンプ設備について導入を拡大し、更なる脱炭素(スコープ1削減)を進めていきます。

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工場名 稼働 削減効果
(t-CO2/年)
備考
大樹工場 2022年12月~ 7,800 2021~22年度
なかしべつ工場 2024年10月~ 5,200 2023~24年度
京都工場 2026年3月~ 2,000 2025年度
ボイラLNG設備(京都工場)

<効果>CO2削減量:3工場で15,000t-CO2/年

イ. 再生可能電力活用(太陽光発電設備導入)(施策c)

当社は、再生可能エネルギーの利用拡大に向け、太陽光発電設備導入を進めています。2025年度は大樹工場、磯分内工場、豊橋工場で稼働を開始しました。
今後も、野田工場やミルクサイエンス研究所等において順次稼働を予定しています。

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工場名 稼働 削減効果
(t-CO2/年)
海老名工場 2023年7月~ 130
京都工場 2024年5月~ 110
阿見工場 2024年8月~ 590
大樹工場 2025年9月~ 260
磯分内工場 2025年11月~ 180
豊橋工場 2026年3月~ 270
野田工場 2027年度(予定) 70
京都工場池上製造所 2027年度(予定) 500
ミルクサイエンス研究所 2027年度(予定) 120
なかしべつ工場 2028年度(予定) 110
太陽光発電設備(大樹工場)
太陽光発電設備(磯分内工場)

<効果> CO2削減量:10事業所で2,340t-CO2/年

ウ.再生可能電力活用(バーチャルPPA)(施策d)

2024年9月に、東芝エネルギーシステムズ株式会社と再生可能エネルギーを活用したバーチャルPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)を新たに締結し、2025年4月から川越工場で活用を開始しました。また、2025年12月から当社本社オフィス移転に伴い電力契約を非化石証書付き電力に切替えました。さらに2026年4月から北海道地区7工場で使用電力量の50%を再生可能電力に切替えます。今後2か年で他地区の工場に再生可能電力の拡大を計画しています。

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施策 時期 削減効果(t-CO2/年)
川越工場バーチャルPPA開始 2025年4月~ 730
本社オフィス移転に伴う電力契約見直し 2025年12月~ 900
北海道地区(7工場)再生可能電力使用 2026年4月~ 23,000

<効果>CO2削減量(2026年4月~):24,630 t-CO2/年(見込)

エ. その他(水素サプライチェーン)(施策f)

幌延工場では、2025年10月から水素エネルギーの利活用による実証実験の取組みを開始しました。近隣(豊富温泉)から産出された未利用ガスから創出された水素と既存ボイラ燃料であるLNGを混焼させ、ボイラ設備の燃料として使用します。この取組みにより年間約60tのCO2排出量の削減を見込んでいます。

オ. ICP導入

インターナル・カーボン・プライシング制度を2024年4月から導入しました。

社内炭素価格:10,000円/t-CO2
適用範囲:省エネ・新技術導入に対する投資(2024年度はユーティリティ設備を対象)
対象範囲:スコープ1、スコープ2(自社のCO2排出量)
活用方法:対象となる設備の投資に対して、社内炭素価格により費用換算し、設備選定時の参考とする。

カ. サステナビリティ・リンク・ローンの活用

サステナビリティ・リンク・ローン(以下「SLL」)は、借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ目標と連携したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」)を設定し、借入条件とSPTの達成状況を連動させる借入です。
雪印メグミルクグループでは、2030年度CO2排出量50%削減をSPTとして、2022年3月に80億円の調達を行いました。このSPTを基に借入期間の目標値を定めています。なお、CO2排出量は、第三者機関による検証を実施しております。

雪印メグミルクグループ全体のCO2削減率の目標及び実績値

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CO2削減率 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度 2030年度
目標値   22.3%   30.8%   35.0% 50.0%
実績値 18.4% 23.5% 26.9% 26.7% 29.1%

  • 2022年度、2024年度、2026年度の数値はSLLで設定したSPT

キ.グリーンボンドレポーティングの進捗状況

グリーンボンドは、環境問題の解決に貢献する事業に要する資金を調達するために発行する債券です。2022年12月に発行した50億円のグリーンボンドの対象事業の概要、調達資金の対象事業への充当状況及び環境効果に関する指標等を、実務上可能な範囲で年次で雪印メグミルク(株)ウェブサイト上に開示しております。

サステナブルファイナンス

グリーンボンドで開示するプロジェクト

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適格プロジェクト 対応する雪印メグミルク(株)
重要課題(マテリアリティ)
およびKPI
環境改善効果
ホエイや有用成分回収工程で発生する副産物のバイオマスをメタンガス化する設備の導入 環境負荷の低減:2030年度までに、CO2排出量を2013年度比50%削減する。 CO2削減量
(t-CO2
排水処理設備増能更新(大樹工場)
排水処理設備増能更新(磯分内工場)
汚泥減容化設備導入(野田工場)
汚泥乾燥設備導入(大樹工場)
環境負荷の低減:2030年度までに、廃棄物排出量を2013年度比30%削減する。 汚泥の削減量(t)

B. 消費者意識の変化

ア. 石油由来プラスチックの削減に向けて

雪印メグミルクグループでは、容器包装における石油由来プラスチックを削減するため、2030年度に石油由来のプラスチック使用量を2018年度比で25%削減(売上原単位)することをKPIと定め、脱プラ分科会で削減施策を検討しています。

2025年度の具体的な取組み内容は下記の通りです。

  • バイオマスプラスチック10%配合品の導入(合計約510t/年の削減)

「ナチュレ 恵 megumi」、「牧場の朝ヨーグルト」、「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」、中容量サイズのマーガリン類等7品

  • プラスチック製容器の紙化(約600t/年の削減見込み)

「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズ(4品)、「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」

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  2021
年度
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
石油由来プラスチック使用量
(2018年度比、売上原単位)
2.5%
削減
5.3%
削減
12.2%
削減
10.5%
削減
20.3%
削減

また、2023年より東京都・神奈川県・千葉県・福岡県などで、2025年度は北海道で学校給食牛乳ストローレス容器の導入及びバイオマスプラスチック配合ストローの供給を開始し、石油由来プラスチックのさらなる削減に取り組んでいます。

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  2023
年度
2024
年度
2025
年度
ストロー関連の石油由来プラスチック使用量
(2022年度比)
24t
削減
33t
削減
44t
削減
ストローレス容器

C. 平均気温の上昇

ア. 生産拠点の節水の取組み

生産拠点の用水使用量について、2030年度に2013年度比9%削減とするKPIを定め、2023年度以降、3年連続でKPIを達成しています。2025年度は野田工場冷却水活性装置導入、大樹工場配管内残薬液エア押し回収など用水使用量の削減に努め、約47万㎥/年を削減しました。

イ. 森林保全による水の涵養の取組みについて

植林などの森林保全や森林由来のJ-クレジット購入を通じ、森林保護や水源の涵養への取組みを強化しています。2025年度より、豊橋工場(愛知県県有林J-クレジット創出プロジェクト)での活用を新たに開始しました。

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取組み内容 対象場所 開始年度 対象面積(ha)
北海道 「キキタの森」の間伐促進プロジェクト 酪農と乳の歴史館 2014 4
北海道中標津町 地域の暮らしを守る格子状防風林における間伐促進プロジェクト なかしべつ工場 2017 2
神奈川県 「森林再生パートナー」ネーミングライツ森林「恵 megumiの森」 海老名工場 2022 3
日本製紙木材㈱ 群馬・須田貝社有林間伐促進プロジェクト 野田工場 2022 8
川越工場 2023 8
日本製紙㈱ 富士・北山社有林間伐促進プロジェクト 本社 2023 3
福岡市 福岡市営林間伐促進型プロジェクト 福岡工場 2023 1
中江産業㈱ ナカエの森地球がよろこぶ森林プロジェクト 京都工場 2024 5
京都工場池上製造所 2024 5
㈱栃毛木材工業 栃毛木材の森林プロジェクト 阿見工場 2024 12
愛知県 愛知県県有林J-クレジット創出プロジェクト 豊橋工場 2025 6
合計     57
  • 森林の対象面積は雪印メグミルク㈱調査による概算値

D. 異常気象の頻発化と深刻化(豪雨、洪水等)

ア. 生産拠点の水リスク評価

生産産拠点の水リスクについて、リスクの再評価を行いました。アキダクト(世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価のグローバルツール)による評価では、リスクが高い対象事業所はありませんでした。また、雪印メグミルク(株)の独自評価として用水、排水、洪水に関するリスク評価を実施し、対応を進めました。洪水リスクについて は、新たに河川氾濫時の訓練実施状況について確認を行いました。

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  リスク高 リスク中 リスク低
アキダクトによる評価 0事業所 12事業所 14事業所
雪印メグミルク独自評価 0事業所 3事業所 23事業所

イ. プラントベースフード(代替食品)への参入

2024年3月に、プラントベースフードの新ブランド「Plant Label」(プラントラベル)を立ち上げ、販売を開始しました。プラントベースフードは、世界人口の増加を背景に食料の安定供給が求められる中、たんぱく質の新たな選択肢として注目されています。市場規模は世界的に拡大傾向にあり、その中でも成長著しい植物性素材が「えんどう豆」です。大豆やアーモンドと比べて生産時の水の使用量やCO2排出量が少ないサステナブルな原料でありながら、脂質が少なく、高たんぱくで食物繊維が豊富という特徴があります。2025年3月に「Plant Label えんどう豆生まれ コーヒー」を新発売し、2026年3月に、えんどう豆の味わいが楽しめる「Plant Label えんどう豆由来のおつまみ ガーリック味」、同飲料「Plant Label えんどう豆生まれ 砂糖不使用」を発売しました。今後も植物性素材の可能性を広げ、食の領域の新たな選択肢の提案に取り組みます。

E. 酪農基盤

雪印メグミルク(株)グループの主力事業である牛乳・乳製品は豊かな食生活と日本の食料自給率向上に欠かせないものですが、酪農生産における環境負荷低減は社会課題となっており、対応を強化していく必要があります。

ア. TNFD提言に基づく開示

2024年8月に初期的開示※1を公表しました。雪印メグミルク(株)を中心とするバリューチェーン全体における自然への依存とインパクトについてENCORE※2を活用して評価し、また、雪印メグミルク(株)工場の周辺地域における自然の評価としてロケーション分析を実施し、自然関連のリスクと機会を確認しました。これらのリスクは、中長期的には雪印メグミルク(株)グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、TNFD提言に準拠した本格的な開示※3を2025年7月に公表しました。

イ. 持続可能な酪農への支援

1

酪農由来のJ-クレジット活用

2025年度より、牛の排せつ物を堆肥化する過程で発生する温室効果ガスを抑制するため、強制発酵設備導入で創出されたJ-クレジットを当社が購入し、持続可能な酪農を支援する取組みを開始しました。本取組みでは、長期契約(8年間)を行うことで、設備導入費用の安定的な回収も可能になります。

購入対象の酪農家の牛舎
強制発酵設備

<J-クレジット概要>

  • 方法論 :家畜排せつ物管理方法の変更(AG-002)
  • 実施時期:2025年から2032年までの8年間-002)
  • 購入量(8年間合計): 11,500t-CO2(予定)

2

輸入飼料に依存しない酪農経営の実現

2026年1月に当社創業100周年事業の一環として酪農総合研究所シンポジウムを開催しました。今回は酪農総合研究所創立50周年の節目にあたり、「『徹底討論』~日本の酪農乳業をどうするか~」をテーマに、講演2題と総合討議を実施しました。本テーマは、40年前の酪総研10周年記念事業でも掲げたものであり、日本の酪農乳業の将来像や、持続可能な産業として発展していくために必要な施策・政策について、過去最多となる460名超の参加者と議論を深めました。

総合討議の様子
会場の様子

3

牧草・飼料作物種子の作付面積拡大

自給飼料型酪農の推進のため、グループ会社の雪印種苗㈱の牧草・飼料作物種子による作付面積2030年度までに2019年度比で3%拡大することをKPIに設定し取り組んでいます。

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  2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
作付面積(2019年度比) 0.2%増加 3.7%増加 3.7%減少 3.6%減少 0.4%減少
  • 2022年度は水田活用直接交付金の影響で大きく作付面積が拡大したが、2023・2024年度は制度の見直しに伴い播種需要が大幅に減少したため、作付面積は縮小した。

事業インパクト評価

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  重要項目 雪印メグミルク(株)への影響 想定パラメータ 2030年
影響度
2050年
影響度
1.5℃ 4℃ 1.5℃ 4℃
移行リスク 炭素価格
  • 炭素税の導入による製造・輸送コストおよび売上原価の増加
炭素税
消費者意識の変化
  • 消費者の自然素材の利用や包装資材リサイクル、CO2排出等への関心
  • 気候変動対策に積極的な企業の製品購入による売上高の増加/減少
脱プラ施策等による影響額
物理的リスク 平均気温の上昇
  • 平均気温の上昇による水資源不足
  • 暑熱対策による原材料調達コストの増加
生乳の生産量、乳価
生産費
異常気象の頻発化と深刻化
(豪雨、洪水等)
  • 自然災害(豪雨、洪水等)による製造・物流設備への影響(操業中止、配送停止等)
集中豪雨の年間発生日数

影響度「大、中、小」の定義(金額範囲)大:30億以上、中:10億以上30億未満、小:10億未満

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