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ミルクアカデミー ヨーグルト研究室

ヨーグルトと乳酸菌

ヨーグルトは乳酸菌や酵母によってミルクを発酵させて作る発酵食品。何といっても、この乳酸菌の力がヨーグルトの大きな魅力です。乳酸菌の働きでおなかの中から健康に。ヨーグルトのさわやかな風味も乳酸発酵から生まれます。そんなヨーグルトの乳酸菌パワーとは。

味噌 しょうゆ 醸造酒

乳酸菌ってどんなもの?

乳酸菌は糖類を分解して多量の乳酸を作り出す菌。下表のようにたくさんの種類があり、これらを総称して「乳酸菌」といっています。乳酸菌は自然界に広く存在していて、例えば人間や動物の腸の中にもいます。
また、乳酸菌による乳酸発酵を利用してヨーグルトやチーズを始め、味噌やしょうゆ、漬け物、醸造酒など身近な食品がたくさん作られています。乳酸発酵のしくみは、19世紀に「微生物学の祖」といわれたパスツールにより解明されましたが、そのはるか昔から人々は、食べ物の風味と保存性を高める、この神秘の力を利用していたのです。
ビフィズス菌はヒトの腸内(主に大腸)などに存在する菌で、糖類を分解して乳酸と酢酸を作り出します。分類学的には、ビフィズス菌は乳酸菌とは別の種類とされていますが、ヨーグルトでは広義の乳酸菌として扱われています。

いろいろな乳酸菌(棲んでいる場所による分類)

  主な棲息場所 生きて腸まで届く
(胃酸耐性) (腸管消化液
耐性)
酪農乳酸菌 家畜などの乳 × ×
腸内乳酸菌 生物の腸内
植物由来
乳酸菌
植物

※例外もあります。

乳酸球菌 乳酸桿菌 ビフィズス菌

いろいろな乳酸菌・ビフィズス菌

形態 属名 発酵形式 主な菌種名


球菌 ストレプト
コッカス
ホモ サーモフィルス
ペディオ
コッカス
ホモ ハロフィルス
ロイコノ
ストック
ヘテロ メセンテ
ロイデス
桿菌
(かん
きん)
ラクト
バチルス
ホモ ブルガリクス
ヘルベティカス
アシドフィルス
ガセリ
ヘテロ ファーメンタム
ビフィズス菌 ビフィド
バクテ
リウム
ヘテロ ロンガム
ブレ−ベ
ビフィダム

●乳酸菌の形態

球菌・・・球状をした乳酸菌。
桿菌(かんきん)・・・棒状をした乳酸菌。
ビフィズス菌・・・棒状でYの字型などをしています。

●乳酸菌の発酵形式

ホモ型・・・糖を分解して乳酸のみを作るタイプ。
ヘテロ型・・・糖を分解して乳酸と酢酸又はアルコール、炭酸ガスを生成するタイプ。

ヨーグルトに使われる乳酸菌

ヨーグルトに使われている主な乳酸菌はブルガリクス菌、サーモフィルス菌、ガセリ菌、ビフィズス菌など。これらの中には、体に有用な働きをするものもあります。ビフィズス菌はもともと腸内にも存在することが知られており、現在ではガセリ菌など、体に良い作用をもたらすものが、数々見つかっています。

ヨーグルトと乳酸菌の主な働き

●腸内菌叢(ちょうないきんそう)を良好なバランスに保ち、消化を促進し便通を整える。
●乳酸発酵により、タンパク質やカルシウムなどの消化吸収を促す。
●ヨーグルトの風味をよくする。
●腐敗菌を抑えヨーグルトの保存性を高める。
●一部の乳酸菌は、健康機能(内臓脂肪低減など)を示すことが、確認されています。

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