サステナビリティアクション

  • 多様性の推進と人権の尊重

パームの小規模農家における人権影響評価

パーム油はアブラヤシの果実から得られる油脂で、近年世界で需要が増えています。
そのため、マレーシア、インドネシアを中心とした農園開発により、多くの熱帯雨林が違法に伐採、焼き払われ、また、強制労働・児童労働などの人権侵害の温床になっていると指摘されています。
このような問題を受け、雪印メグミルク(株)ではパーム油のトレーサビリティを向上するため、ミル(搾油所)の名称や所在地を集約したミルリストを作成、開示しています。

ミルリスト(13.2MB)

インドネシア

2022年10月、雪印メグミルク(株)のサプライチェーン上にあるパーム油のミル(搾油所)「PTPN VII Talang Sawit」に納品していると考えられる、インドネシア南スマトラ州ムシバニュアシン県Tanjung Agung Barat村の独立小規模農家25軒に対し、事前アンケートを行いました。
事前アンケートでは、村役場が焼畑監視システムを導入するなど、焼畑を規制する法令が厳格に遵守されており、農園の土壌に関する回答から泥炭地開発が行われていないことも確認できました。安全衛生面では、農薬などの化学物質に対する保護具は適正に使用されているものの、危険作業に関する回答に曖昧な点があるなど、一部懸念点も見られました。
2023年3月、現地を訪問し、これら農家とのダイアログを行いました。ダイアログは、経済人コー円卓会議日本委員会およびSPKS(アブラヤシ小規模農家組合)の支援により実施し、事前アンケートで見られた懸念点を中心に、農家の労働環境、経済状況を直接確認しました。あわせて、彼らの生活環境やパーム産業に関する理解を深めるため、農園(収穫作業)、小学校、診療所、ミルを視察しました。

ダイアログ概要

参加者
事前アンケートに回答していない農家も含め、73名(男性48名、女性25名)が参加。ミルの経営者も同席した。

農家からのコメント(抜粋)

  • パーム農家になって不満はない(小麦やゴムに比べて効率が良い)。体力的に大変なことは、収穫した実のトラックへの積み込み作業。
  • 男性は主に収穫と積み込み、施肥・追肥作業。女性はこぼれ落ちた実を拾う作業や事務作業。
  • 1日の労働時間は6時間程度(7~13時)。週休1日。休憩は取りたいときに取る。仕事には水を持って行き、好きな時に飲める。
  • 買取価格はミルが決める。販売先のミルを選べる状況にはない。現状の価格は安すぎると思っている。
    →(ミルの回答)相場を常に確認しているが、政府の輸出規制もあり現状の価格は低めとなってしまっている。
  • 肥料価格が上がっている。樹齢30年以上の木も多く、植え替え用の苗が欲しい。
  • 搾油後のアブラヤシの実(殻)は無料でミルから引き取り、剪定した枝葉も含めて有機肥料として再利用している。

事前アンケートでは一部懸念点が見られましたが、現地で実際の作業を視察し、農家と対話した結果、強制労働や児童労働など、人権への負の影響に相当する実態は確認されませんでした。
一部、買取価格の面で、農家が不利な立場に置かれている状況が垣間見られました。今回、仲買人を通さず初めてミルと農家が直接対話する機会を提供できたことから、これを契機として、今後の両者の対話が促進され、農家の経済状況が改善することが期待されます。

(左)パームの実、(中央上)ミル経営者と農家の対話、(中央下)有機肥料として再利用されるパーム、(右)農家とのダイアログ

マレーシア

2024年11月、雪印メグミルク㈱はマレーシアを訪問し、当社のミルリストに含まれるSEDENAK Palm Oil Millおよび併設のパーム農園を取引先(商社)とともに視察、農園およびミルの労働者への聞き取りを行いました。農園ではインドネシアなどから来た労働者が敷地内に居住し、生活が完結できるよう整備されていました。労働力は充分に確保されており、休憩を含む適正な労働時間となっていました。また、作業時は長靴・軍手・ヘルメットの着用が徹底されており、動画による安全教育など、労働安全衛生に関する意識の高さもうかがえました。
最近ではNPOやNGOによる監査も受けており、人権に関して非常に意識が高いことが確認できました。

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