フォローアップミルクと母乳、育児用ミルクとの違いとは？
牛乳との違いも解説

まずはフォローアップミルクと赤ちゃんの育児用ミルクとの違いからみていきましょう。この2つはよく混同されるのですが、じつは大きな違いがあります。どんな違いがあるのか、対象月齢、目的、含まれる成分を比較し、チェックしてみましょう。

育児用ミルクには「母乳の代わり」という目的があります。したがって、離乳が完了する目安とされる1歳までが対象となり、成分も母乳に近くなっています。
一方、フォローアップミルクには「離乳食や食事で不足しがちな栄養を補うもの」という目的があるため、その目的に合わせた成分が配合されていて、離乳食後期にあたる満9か月ごろ～3歳までの長期にわたって利用することができます。
こうした違いを知ったうえで、育児用ミルクとフォローアップミルクを適切に活用することは、お子さんの成長と健康維持のためとても大切なことといえます。

続いて、母乳とフォローアップミルクとの違いについてです。
母乳は赤ちゃんにとって最適な成分組成になっていて、消化もしやすく、感染症や2型糖尿病の発症リスクを下げるといった報告もあるなど、赤ちゃんの発育にとってさまざまなメリットがあるといわれています。

ただし、母乳の栄養成分のなかでも「鉄」については、赤ちゃんの要求量をいつまでも充たすようにはなっていないので注意してください。
赤ちゃんは生まれる前から胎内で鉄を蓄えます。特に成長著しい妊娠中期と後期には母体の鉄の摂取量を増やす必要があり、それが生まれた後の赤ちゃんの健康状態にも影響します。
赤ちゃんが生まれた後は、おもに母乳から栄養補給をしますが、母乳には鉄は多く含まれていないのです。鉄は生まれる前に蓄えたものでまかなっていくと考えられています。
ところが、赤ちゃんは生後5か月ごろになると、胎内で蓄えた鉄が底をつくため鉄不足になることが多く、検査をしてみると鉄の不足による貧血だったということもよくあります。鉄は体の中でさまざまな役目を果たしており、不足の状態が続くと運動機能や精神の発達にも影響が生じる可能性が考えられます。

そうしたケースを想定し、フォローアップミルクには鉄が多く含まれています。そのため離乳食が進んだ、およそ9か月以降のお子さんにはフォローアップミルクを活用して鉄を補うのが有効な場合も少なくありません。食事がきちんととれていれば基本的に栄養不足の心配はないとされていますが、お子さんが離乳食をあまり食べない場合にはフォローアップミルクを活用するのもひとつの方法といえます。

母乳と育児用ミルク、そして牛乳の中で最もフォローアップミルクに近いのが牛乳です。フォローアップミルクは、そもそも牛乳の代わりとして使われるミルクだからです。

ただし、場合によっては牛乳よりもフォローアップミルクのほうが、お子さんに必要な栄養を補えることがあります。
牛乳はカルシウムをとるのに適していますが、鉄やその吸収を促進するビタミンC、DHAはほとんど含まれていません。
一方、フォローアップミルクには、離乳時に不足しがちで牛乳にほとんど含まれない鉄、ビタミンC、DHAが配合され、さらにカルシウムやその吸収を促進する乳糖やビタミンDなどバランスよく配合されていることから、お子さんの成長に必要な栄養を補うのに適しているといえます。

母乳や粉ミルクから離乳食に移行しはじめるころから幼児期までのお子さんは、心身の発達や成長が著しく、将来にわたる発育の過程において大切な時期にあります。
ですが、その時期のお子さんは胃などの消化器がまだ小さく、機能も未熟ですし、「むら食い」があるのが普通で、大人のように食事だけで必要な栄養をとるのは難しいことが多々あります。
離乳食や食事では補いきれない栄養素をフォローアップミルクで上手に補うことができれば、パパやママの心配を軽くすることにもつながります。
もしも心配な場合は、離乳期～幼児期のお子さん栄養補助として、フォローアップミルクの活用を検討してみてください。