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ミルクアカデミー 牛乳研究室

牛乳の種類

一般的に牛乳というと、牛のミルクということになりますが、店頭に並んでいる製品は、乳脂肪率の違いや添加原料の有無などの違いで、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」により、「牛乳」や「低脂肪牛乳」「加工乳」など、いくつかのタイプに分類されています。

牛乳

生乳(牛から搾ったままの乳)を加熱殺菌したもの。
生乳100%で、水や他の原料を加えたり、成分を減らすことはいっさいできません。また成分として、乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上含んでいることが条件づけられています。

特別牛乳

特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設で搾った生乳を処理して製造したもの。乳脂肪分は3.3%以上、無脂乳固形分は8.5%以上です。「雪印こどもの国牧場」をはじめ、全国数ケ所の施設が許可を受け製造しています。

低脂肪牛乳

生乳から乳脂肪分の一部を減らし、低脂肪にしたものです。
牛乳と同様、水や他の原料はいっさい加えていません。乳脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど同じです。

無脂肪牛乳

低脂肪牛乳よりさらに乳脂肪分を取り除き、乳脂肪分を0.5%未満にしたものをいいます。
乳脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど同じです。

成分調整牛乳

乳脂肪分、無脂乳固形分、水分などの成分の一部を除去したものです。
無脂乳固形分は牛乳と同じく8.0%以上あります。

加工乳

生乳にバターや脱脂粉乳など他の乳製品を添加して、成分を調整したものなど。
加えてもよいのは乳製品と水に限られています。乳成分を濃くした濃厚タイプや低脂肪タイプのものなどがあります。

乳飲料

加工乳の原料が生乳や乳製品と水に限定されているのに対し、それ以外の原料も加えてよいのが乳飲料です。
カルシウムをさらに強化したり、ビタミンや鉄分を加えた栄養強化タイプ、コーヒーや果汁、香料を加えた嗜好飲料タイプなど。ニーズに合わせて、バラエティに富んだ商品が販売されています。

牛乳類の成分規格表

  無脂乳固形分 乳脂肪分 細菌数(1ml中) 大腸菌群
牛乳 8.0%以上 3.0%以上 5万以下 陰性
特別牛乳 8.5%以上 3.3%以上 3万以下 陰性
低脂肪牛乳 8.0%以上 0.5%以上~
1.5%以下
5万以下 陰性
無脂肪牛乳 8.0%以上 0.5%未満 5万以下 陰性
成分調整牛乳 8.0%以上 5万以下 陰性
加工乳 8.0%以上 5万以下 陰性
乳飲料※ 乳固形分3.0%以上 3万以下 陰性

※「乳飲料」は飲用乳の表示に関する公正競争規約での規格

厚生労働省 乳等省令より


「乳等省令」と「公正競争規約」

日本では、牛乳をはじめ乳製品に関しての成分規格や製造方法、容器包装の規格などが「乳等省令」に定められています。「乳等省令」とは、食品衛生法に基づいて国が定めた「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」のこと。日本で人々が安心して牛乳、乳製品を飲食するための基本となる、大切な決まりです。また、乳業界が規定した「飲用乳の表示に関する公正競争規約」という自主基準もあります。これは飲用乳に関しての正しい表示を義務づけた基準です。

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