チーズの歴史に関するQ&A

チーズの日って何ですか?
日本人と"チーズ"の出会いは、およそ6世紀の飛鳥時代にさかのぼります。
当時のことが記録された『右官史記』の中に「文武天皇四年(西暦700年)10月(新暦11月)文武天皇が使いをつかわし、“蘇(そ)”をつくらしむ」という記述があります。ここで記されている“蘇(そ)”が現在の日本のチーズの元祖と言われるものです。また、旧暦10月は新暦では11月になります。
そこで、1992年に日本人にもっとチーズに親しんでもらうため、覚えやすい11月11日を記念日とし、チーズの日が誕生しました。そしてチーズの日には、チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会の共催で「チーズフェスタ」が1992年から毎年開催され続けています。
チーズの起源はいつ頃どこで始まりましたか?
チーズは「人類が作った最も古い食品」と言われています。チーズが初めてどのように作られたのかは、確かな記録が現存していないためわかりませんが、おそらく山羊や羊などを飼育し、その乳を利用することを発見した頃と考えられています。
それは、「命の水」とも言える貴重な乳が偶然、土器の中に入った、野生の人にやさしい微生物の働きによって、液体から白く美しい固まり(カード)と液体(ホエイ)に分離することを発見したときがチーズ発見の瞬間だったと言われています。紀元前3500年頃のメソポタミアの神殿の石版画装飾や紀元前6000年代の湖上生活者の遺跡などに チーズづくりの痕跡が残っていることから、チーズ作りの歴史は数千年以上昔から始まっていたと想像されます。
日本で最古のチーズはどのようなものですか?
日本のチーズの歴史は意外なことにずいぶんと古くまでさかのぼることができます。モンゴルのチーズ「ウルム」に似た「正蘇」という乳製品に関する記録が、650年頃の『涅槃経』や『右官史記』という古文書、奈良の平城京宮遺跡、長屋親王邸跡から発見されています。
「蘇」の作り方は、6世紀、飛鳥時代に伝来した仏教とともに、中国や朝鮮からの使節や酪農技術を身につけた渡来民によって伝来したものと考えられています。
「蘇」は、平安時代には不老長寿・強精に効くと考えられていたため、現在のローヤル・ゼリー以上に貴重な食品として貴族階級で独占されていたようです。そのため、皇族や大臣の大餐の儀式兼宴会などには欠かせないものでしたが、武家時代に移るとともに、作られなくなってしまったようです。

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