ハードタイプ

ミモレット

Mimolette:英・仏語表記
食べやすさ
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ミモレットは、フランスでオランダのエダムのまねをして作り始めたチーズといわれています。
断面が明るいオレンジ色をした丸いチーズとしてよく知られています。このオレンジ色は植物色素(アナトー)によるものです。外皮はくすんだ茶色で、ボツボツと穴があいているのが特徴です。店頭では半月型に切り分けて売られていることが多いようです。
熟成が進む前はやわらかさもありますが、熟成が進むと水分も減り、熟成具合によっては外皮にナイフが入らないくらい硬くなります。中身もハードタイプのチーズらしいかみごたえのある歯ざわりが楽しめます。
濃厚な味わいで、熟成が進んだものは“からすみ”のようだとも例えられます。うまみを味わうのもミモレットの楽しみです。

原料乳 牛乳
原産国 フランス
見た目の特徴 表皮は熟成が進むと無数の穴があき、粉状に。中身は鮮やかなオレンジ色。
味の特徴 若いうちはマイルド。熟成が進むと濃厚になり、カラスミのような風味に。
熟成期間 6週間以上。
固形分中乳脂肪 最低40%以上

ハードタイプのチーズとは?

ミルクを温めて乳酸菌、色素、レンネット(凝乳酵素)を加えると、カゼイン(主な乳たんぱく質)が凝固します。その凝固したもの(凝乳)からホエイ(乳清)を除去するとカードができます。そのカードをさらに粉砕・攪拌・加熱して、水分を取り除き球状の型に詰めます。その後、型から取り出したチーズは、1年が過ぎると、表皮にシロンというコナダニが育ち、無数の窪みを作ります。そのため、ダニの生息に適した温度管理が必要になります。
皮のゴツゴツした感じはシロンが繁殖したもので、カビを食べて脂肪分を守り、水分をコントロールしてます。シロンは人を刺すダニとは種類が違います。
熟成期間に応じて2~6ヶ月熟成の『ジュンヌjeune』、6~12ヶ月熟成の『ドゥミ・ヴィエイユDemi Vieille』、12~18ヶ月熟成の『ヴィエイユVieille』、18~24ヶ月熟成の『エクストラ・ヴィエイユExtra Vieille』と呼ばれています。

チーズの熟成について
原産地は、フランス北部のフランドル地方です。

薄くスライスしたり、細かく砕いて口の中で溶かしながら食べます。ビールや日本酒にも非常によく合います。保存中にあまりに硬くなってしまったら、すりおろして料理に使うと良いでしょう。

相性がよいワイン

  • フルーティーな白
  • 軽め~中程度の赤ワイン

春いろのチーズをのせて

新しい季節の訪れで思い浮かべるチーズが、このミモレット。明るいオレンジ色が春の気分にぴったりな気がするのです。若葉色のチコリの上に半熟卵と一緒にたっぷりと乗せ、仕上げには粒マスタードのドレッシングを。春の花畑のようなオードブルをつまみに会話も知らずと弾んでくる。「ミモレット」には仏語で、軟らかいという意味あいがあるのだが、撮影用にもとめた2年熟成ものともなると、がちがちの南瓜のように外皮が固く、包丁では歯がたたない。中は鮮やかなオレンジ色。色合いだけでなくその風味をカラスミやウニにたとえる人もいるが、よく熟成させたものは噛めば噛むほど味深く、ワインやウイスキーはもとより、日本酒にもよくあう。左党にはことのほかうれしいチーズなのである。

Photo:K.Nakazato Text:S.Ishi

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