ハードタイプ

「ハードタイプ」とは、製造過程でセミハードタイプのチーズよりももっと水分を少なくした(水分が38%以下)、大きく重量のあるチーズです。だいたい1個で20kgから、重いもので130kgもあります。セミハードタイプよりも熟成期間が長く、6~10ヵ月ぐらいじっくりと寝かせるため、非常に硬質で、濃厚な旨みのあるチーズに仕上がります。なお、通常は製造後6~8ヵ月、長いもので1年ぐらいが食べ頃になります。
このハードタイプもまたおだやかに熟成が進むチーズなので、食べ頃がずっと続き、さまざまな料理方法でおいしさを楽しめます。

「ハードタイプ」のつくり方(「コンテ」加熱圧搾タイプの製法例)

ミルクを温めて乳酸菌、レンネット(凝乳酵素)を加えると、カゼイン(主な乳たんぱく質)が凝固します。その凝固したもの(凝乳)からホエイ(乳清)を除去するとカードができます。そのカードをさらに粉砕・攪拌・加熱して、ホエイの排出を促す。カードを集めて型につめ、加圧して水分を出します。その後、型を外して高濃度の食塩水に漬けます。食塩水から出した後は乾燥させ、熟成庫の中で熟成させます。

こんな食べ方がおすすめ!

調味料として料理やスープ、ソースに利用してみてください。フランス産のコンテ、ボーフォール、イギリス産のチェダーはオニオンスープの中に入れるとよく合います。他には、サラダに入れたり卵料理に入れてもおいしいです。
イタリア産のグラナ・パダーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、ペコリノ・ロマーノ、スイス産のスプリンツなどの超ハードタイプはそのまま食べるか、粉にしてピザやサラダにかけたり、スパゲティ料理に加えると、料理の味が一段と豊かになります。

出典について

参考文献

『チーズの教本 2018』

発行:株式会社小学館クリエイティブ
著者:NPO法人チーズプロフェッショナル協会

『CHEESE』

発行:西東社
著者:チーズ&ワインアカデミー東京

『チーズの話』

発行:雪印メグミルク株式会社

『もう迷わないチーズの本』

発行:旺文社ムック
編集制作:レブン
監修:チーズ&ワインアカデミー東京 中川講師