今月の
エッセイ

6・7

2022

料理は限りなく楽しい
専用の型が欠かせないケーキもあれば
身近な容器で焼ける気楽なおやつもあります

お菓子の焼き型で私がふだんよく使うのは、サイズ違いの丸型や角型、パウンド型、シフォンケーキ型、マフィン型、プリン型などです。シフォンケーキを焼きたいと思ったら、やはりシフォンケーキ型は欠かせないもの。その昔、私がドイツ人宣教師の奥様から初めてスパイスシフォンケーキを習った頃はまだ市販の型が手に入らなくて、図面を描いて知り合いの板金屋さんに作ってもらった思い出があります。今では専門店に行けばお菓子の焼き型はベーシックなものから目新しいものまで多種多様。焼いてみたいお菓子に合わせて専用の型を少しずつ揃えていくのもお菓子作りの楽しみかもしれません。
ただし毎日のおやつ作りでは、身近な容器で気楽に焼けるお菓子も覚えておくと安心です。今回ミルクレシピでご紹介したミルクサヴァランは、スポンジケーキに近い生地なので、耐熱のココット皿やホーローカップを使って焼いてみました。型から出さずにそのまま、ミルクソースとチーズクリームで仕上げます。「容器が不ぞろいでもいいんですね」とほっとしたように言ってもらうと私もちょっとうれしいです。