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牛のからだと暮らし②

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牛のおなかに磁石?

牛に、磁石を飲み込ませているって知っていますか?
牛はどういうわけか、細長いものなら何でも飲み込む習性があります。
牧場に落ちている釘や金物を拾い食いしてしまいます。こんなことして、おなかが痛くならないのでしょうか?
異物のほとんどは、第二胃の底に沈みます。飲み込んだ釘や針金が第二胃を突き抜けて心臓の心膜を傷つける「創傷性心膜炎(そうしょうせいしんまくえん)」の予防のために磁石を入れることがあります。
牛用に特別に作られた長さ6cmくらいの磁石を、特殊なパイプを使って胃の中に入れて、飲み込んだ釘などが胃を傷つけないようにします。

牛のげっぷに税金?

牛や羊などの反すう動物は、牧草などの植物のセルロースを、胃の中の酵素やバクテリアの助けを借りて消化しています。そのときに生じたガスが、げっぷとなって口から放出されます。このげっぷの中身がメタンガスと二酸化炭素。実はどちらも地球温暖化の要因となるものなのです。なんと地球のメタンガスの全排出量の約2割は、こうした反すう動物のげっぷだそうです。羊の数が約4千5百万頭、牛が約9百万頭という酪農王国ニュージーランドでは、牛や羊のげっぷに税金をかけようと協議されたこともあるとか。今、世界各国でげっぷを出さない飼料などの研究が、進められているそうです。

牛と鯨は親戚?!

牛はそのひづめの形から偶蹄目(ぐうていもく)の仲間に分類されています。ヤギやキリン、カバなどが近縁です。
しかし、最近の研究で、鯨もその祖先をたどると偶蹄目に近い仲間であることがわかってきました。
鯨はDNA鑑定などでカバと同じ祖先をもつのではないかといわれています。
水辺で生活をしていたけど、豊富な餌と天敵を逃れるため水中へ移動し鯨になったと考えられています。
そこで、「偶蹄目」は「鯨偶蹄目」に改められ、牛と鯨は同じ仲間になりました。

ドイツ生まれ、オランダ育ち(ホルスタイン)

あの白黒まだらの乳用牛の正式な名前は、「ホルスタイン・フリーシアン」といいます。
もっとも乳量の多い品種です。
日本では、省略して「ホルスタイン」と呼ばれています。
ホルスタイン種の原産地は、ドイツ北部のホルスタイン地方と言われていますが、品種改良されて乳牛として確立したのがオランダの北部、北海に面したフリースランド地方です。
生まれ育まれた二つの地方の名を冠した「ホルスタイン・フリーシアン」は、その後、ヨーロッパ各地に、アメリカに。そして日本へと世界各地で飼育されるようになりました。

アルプスとカウベル。

ヨーロッパのアルプスで放牧されている牛が、首に大きな鈴をぶら下げているのをご存知ですか?カウベルといいます。これは装飾のためではなくリッパな実用品。牛飼いの人々にとってなくてはならないものです。広い放牧地帯で自分たちの牛の群を見つけ出すのは大変です。そこで、群のリーダー牛にカウベルをつけておき、その音色を頼りにリーダーと群を見つけます。リーダーを呼ぶと群の牛たちはドカドカとその後をついて来ます。2週間に一度、塩を与えるために群を集めます。不足がちのミネラルを補うため大切な仕事。牛も塩をもらえるのを待っています。アルプスにこだまするカウベルの音色も、実はとても現実的なものなのですね。

母牛の涙のわけ。

紀元前2000-1800年ごろの古代エジプトの石棺に、搾乳風景が描かれています。子牛が母牛の前足に縛りつけられていますね。乳が出やすいよう子牛に吸引させてから、人間がそれを横取りするという寸法です。母性本能を利用したちょっとズルい搾乳方法。古代の人々はどうすれば上手に搾乳できるか、いろんな経験を経て知識と技術として蓄えていったのです。よくみると母牛の目に涙があふれています。石棺の主の死を嘆いているのか、子牛の乳を横取りされたのが悲しいのか。古代エジプト人がどんな気持ちでこのレリーフを刻んだのか、今は知る由もありません。

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