ウォッシュタイプ

マンステール

Munster:仏語表記
食べやすさ
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フランス東部、ドイツとの国境のアルザス地方ヴォージュ山脈にあるマンステールの谷が原産のチーズです。この谷に修道院を建てた修道士たちが、放牧を行いチーズを作るようになったのが始まりです。
中世には、このチーズの製法がヴォージュ山脈を越えて西側のロレール地方にも伝わり、今では山の東側と西側で同じチーズが作られています。
熟成した表皮はオレンジ色になり、中身はねっとりとクリーミーです。ウォッシュタイプのチーズらしい匂いが楽しめます。
この個性的な強い匂いに対して、味はマイルドでなめらかです。

大型のものは、直径13~19cm、高さ2.4~8cm、重さ450g以上
小型のものは、直径7~12cm、高さ2~6cm、重さ120g以上

1969年にA.O.P(EU統一の原産地名称保護)を取得しました。

  • A.O.Pは、2009年よりA.O.C(原産地名称統制制度)から移行しています。
原料乳 牛乳
原産国 フランス
見た目の特徴 表皮はオレンジ色で、湿っている。
味の特徴 香りに反してクセは強くなく、ミルクのコクと甘みがあり食べやすい。
熟成期間 大型/最低21日間
小型/最低14日間
固形分中乳脂肪 最低45%

ウォッシュタイプのチーズとは?

温めたミルクにレンネット(凝乳酵素)を加えて、カゼイン(主な乳たんぱく質)が凝固したもの(凝乳)からホエイ(乳清)を除去したものをカードといいます。
そのカードを型詰めし、ホエイを抜いたあと加塩します。温度を管理した場所で数日置くと、チーズの表面に赤い色が表れます。その後、塩水で何度か洗いながら熟成させます。

フランス
バ・ラン、オー・ラン、ヴォージュ、ムルト・エ・モーゼル、モーゼル、オート・ソーヌ、テリトワール・ド・ベルフォール 各県の指定村落

ライ麦パンやりんごと合わせて。
キャラウェイシードを少量添えて食べると、すっきりとしたあと味が楽しめます。

相性がよいワイン

  • フルーティーな赤ワイン、コクのある赤ワイン
  • 甘口の白ワイン

修道士はチーズを洗う

フランスとドイツが国境を接する、アルザス地方の山中にマンステールの谷はある。このチーズは7世紀の頃に、谷に住みついた修道士たちによって作られたのが始まりだ。そもそもマンステールとは、修道院を意味するモスナールという言葉から派生したらしい。由来を聞くとどことなく謹厳で淡泊な味を想像したが、皮は淡いオレンジ、独特の匂いとまろやかで深いコクがあり、なかなかどうしてチーズ好きをかりたてる魅惑的な味なのである。このチーズはいわゆるウォッシュタイプのチーズで、熟成をさせながらチーズの表面を塩水でこするようにして何度も洗う。それがチーズを雑菌から守り、表面のねばねばをとったり、独特の風味づけに役立つのである。このチーズは熱々に茹でた皮つきのジャガイモと一緒に食べるのが地元風だとか。それも試してみたいが、今回はクミンシードと蜂蜜をかけデザート風にしてみた。冷やした白ワインとことのほか相性がいい。

Photo:K.Nakazato Text:S.Ishi

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