2026年09月29日

  • 研究開発・調査

マーガリンなどの品質を支える乳化剤の働きを分子レベルで解明 ~低脂肪タイプの開発に役立つ新知見~

研究成果を2つの国際学術誌で発表

雪印メグミルク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、慶應義塾大学理工学部機械工学科 荒井規允教授らとの共同研究により、マーガリンやファットスプレッドなどの油脂食品の品質を支える「乳化」のしくみを、実験と分子動力学シミュレーション※1により分子レベルで明らかにしました。本研究では、飽和脂肪酸鎖※2を持つ乳化剤※3と不飽和脂肪酸鎖※4を持つ乳化剤を比較し、分子構造の違いが油と水の境界面での並びや乳化の安定性に影響することを示しました。
本成果は、低脂肪でも安定した品質や好ましい食感を実現する油脂食品の設計に役立つ基盤知見であり、関連する研究成果は国際学術誌「Chemical Physics」および「Food Research International」に掲載されました。




【本研究のポイント】

・不飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤は、飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤に比べて、水と油をより安定に混合できることを明らかにした

・実験と分子動力学シミュレーションを組み合わせ、乳化剤が油と水の境界面でどのように働くかを分子レベルで可視化した

・本成果は、低脂肪でも品質や食感を維持した油脂食品の設計に役立つことが期待される



   図1 飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤(左)と不飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤(右)をそれぞれ含む油水界面の分子配列
      水色は水、黄色は油、赤色は乳化剤の水になじみやすい部分、緑色は水になじみにくい部分を示す。
飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤はきれいに並んでしまうため動きが制限される構造だが、不飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤は、制限が少なく動きやすい構造となる。



   図2 飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤(赤色)と不飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤(青色)を混合した油水界面の分子分布
                左は界面の断面、右は左図を上方向から見た図を示す。
     両者は界面上で完全に均一に混ざるのではなく、飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤が局所的に偏って分布(それに伴い
     不飽和脂肪酸鎖を持つ乳化剤も偏って分布)しており、この構造がW/Oエマルションの安定性に影響する。




本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

雪印メグミルク株式会社
広報IR部 広報グループ

TEL 03-6859-1466

E-mail msb-pr@meg-snow.com