世界初!
カマンベールチーズ熟成中の“味”変化を可視化
日本農芸化学会 2026年度大会にて発表
雪印メグミルク株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、カマンベールチーズの熟成中に生じる「味(呈味)」の成分分布の変化を、「質量分析イメージング」を用いて世界で初めて※1可視化することに成功しました。
本研究成果は、福島大学 平 修教授および安田女子大学 塩田 誠教授(元 当社研究員)との連名で、「日本農芸化学会 2026年度大会」において発表いたしました。また、この成果は2025年10月に学術雑誌「Journal of Dairy Science」にも掲載されています。※2
※1 雪印メグミルク調べ 2026年1月22日時点
※2 https://doi.org/10.3168/jds.2025-26891
本研究では、グルタミン酸と乳酸のカマンベールチーズ内での分布と、熟成に伴う変化を可視化しました。さらに、伝統製法とスタビライズ製法という異なる2つの製法が、風味形成に与える影響も明らかにしました。※3
得られた知見をもとに、今後さらなるチーズのおいしさのメカニズム解明や商品開発に活用してまいります。
【質量分析イメージング※4による呈味成分分布】
【研究背景】
カマンベールチーズは、乳酸菌と白カビの働きにより独自の風味が生まれるナチュラルチーズです。その製法には伝統製法とスタビライズ製法の2種類があり、それぞれ組織、風味に特徴をもつチーズが作られます。これまで、両製法による組織の違いなどの報告はありましたが、風味の形成機構の違いは明らかになっていませんでした。本研究では、2種類の製法で製造したカマンベールチーズを用い、熟成に伴う呈味成分の変化を分析し、風味形成機構の違いを評価しました。
【研究成果】
異なる熟成日数のチーズの成分分析と官能評価を行った結果、伝統製法はスタビライズ製法に比べ、熟成中にグルタミン酸を多く産出し、よりうま味が強くなる特徴を確認しました。さらに、質量分析イメージングによる呈味成分分布を評価したところ、熟成に伴い、グルタミン酸は白カビが生育するチーズ表面付近から増加し、乳酸は表面付近から減少することが示され、これらの変化は伝統製法でより顕著であることが明らかとなりました。
※3 製法について
●伝統製法
中温性乳酸菌を用いて作られるカマンベールチーズの製法です。うま味などの風味が強く、熟成が進むと表面に近い中身が柔らかくなる特徴をもちます。
●スタビライズ製法
高温性乳酸菌を用いて作られる、比較的新しいカマンベールチーズの製法です。マイルドな風味で、均一な組織が特徴です。
※4 質量分析イメージング
試料表面を細かい点毎に分析し、そこに存在する分子の分布をマッピングする可視化技術です。レーザーで分子を飛ばして、質量を測定し(MALDI-TOF Mass Spectrometry)、出た結果を色分けして画像にします。
【日本農芸化学会 2026年度大会】
会期:2026年3月9日(月)~12日(木)
演題名:質量分析イメージングを用いて評価したカマンベールチーズの熟成中に生成した呈味成分分布
発表者:石原達也1、山住弘1、平修2、塩田誠3
1 雪印メグミルク株式会社、2 福島大学、3 安田女子大学