イル・ド・フランス - フランスのチーズの産地【チーズの産地】:チーズクラブ

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イル・ド・フランス

今回はフランスの心臓部であるイル・ド・フランス地方で作られるブリーについてご紹介いたします。

王国成立の地

フランスといえば首都パリを思い浮かべる方も多いと思いますが、そのパリを中心に半径約150kmの範囲で広がるイル・ド・フランス地方は、フランス王国成立の核となった土地です。 これは、緑豊かな田園地帯で、南東部にはフランス有数の森林フォンテーヌブローがあり、中世は王侯貴族の狩猟地でした。 このイル・ド・フランスの東側の台地ではブリーと呼ばれるチーズが作られています。「西のノルマンディ(カマンベールの産地)、東のブリー」と対比され、ブリーはカマンベールと並ぶフランスの代表的なチーズです。

チーズの王様!

ブリーが世界的に有名になったのは、ナポレオン戦争後の1814年~1815年に開かれたウィーン会議のときのこと。会議の息抜きとしてヨーロッパ諸国の30名以上の大使たちが一同に介して行ったチーズ比べで「チーズの王様」と宣言されたのです。

このブリーには「3兄弟」と呼ばれるチーズがありますので順番にご紹介していきましょう。

大型で華やかな長男 ブリ・ド・モー

ウィーン会議で評価されたチーズはブリ・ド・モーです。パリから50kmほど北東にあるモウ村を中心に作られており、その歴史は8世紀にまでさかのぼることができます。カール大帝が好んで食べていたと言われ、パリの歴代の王侯貴族にも愛されてきたチーズです。
直径36cm~37cm、厚さ2.5cmの円盤型で、2.5kg~3kgの重さがあります。表面は産毛のような白カビが広がり、表面の所々に薄い赤や麦わら色の線状の模様が表れます。とてもクリーミーでまろやか、繊細な味のため食べやすく人気のあるチーズです。

作り方

牛乳は無殺菌で37℃にあたため、乳酸菌と酵素を加えて凝乳(固まった乳)を作ります。その後の型詰めでは、ちり取りのようなシャベル(la pelle a brie)を用います。

また、製造場所では最低4週間の熟成管理をし、最低8週間の熟成をさせます。このようにして作られたチーズだけがブリ・ド・モーとして認められるのです。

1980年8月18日にAOCに認定され、10件の製造所と6件の熟成専門所があり、年間7000トンが生産されています。

個性的な次男 ブリ・ド・ムラン

ブリ・ド・ムランは、直径27cm~37cm、厚さ3cm、重さ1.5kg~1.7kgとブリ・ド・モーより一回り小さいチーズです。西暦800年に即位したシャルルマーニュ大帝のお気に入りであったと伝えられています。
表面はフェルト状の柔らかな白カビで覆われていますが、熟成が進むにつれて赤みの混じった茶褐色になっていきます。フルーティな芳香と微妙な香味としなやかさがあります。塩味が強く、男性的な味と言われ、個性的な味わいに特定のファンがいるようです。

作り方

牛乳は無殺菌で30℃の状態で乳酸菌、酵素を加え18時間以上かけて凝乳を作ります。その後もゆっくりと水切りをし、ルーシュ(la louche)で型詰めを行います。1個のムランを作るために14リットルの牛乳が必要です。

型詰め後、表面に塩を一日おきに片面ずつすりこみます。10℃、90~95%の湿度の熟成庫で4週間管理されます。

AOCにはモーと一緒に認定されています。6軒の製造者と7軒の熟成業者があり、年間350トンのチーズを作っています。

上品な三男 クロミエ

クロミエは、白カビのやや硬めの表皮で覆われています。500gほどのチーズで、熟成期間は1ヵ月です。上品な味で、まろやかなアーモンドを思わせる風味をもつチーズもあります。AOCには認定されておりませんが、ブリ・ド・モーブリ・ド・ムランと並べて称されるチーズです。

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