シャンパーニュ - フランスのチーズの産地【チーズの産地】:チーズクラブ

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シャンパーニュ

今回はイル・ド・フランスの東にある、シャンパーニュ地方のAOCチーズについてご紹介します。

荒地からシャンパンの産地へ

イル・ド・フランスの東側の崖を下ると、広大なシャンパーニュの大地を見ることができます。 かつてはシャンパーニュの荒地と呼ばれた貧しい土地でしたが、今では豊かな耕地に変わっています。世界的に有名な発泡酒「シャンパン」の産地です。
シャンパンは17世紀にオーヴェレール修道院のドン・ペリニョン僧によって作りだされたと言われています。石灰質の小山の斜面にあるブドウ畑で栽培されるピノ・ノアールかシャルドネ種から作られます。他の産地でも同じ製法で作られますが、この土地で作られたもののみが「シャンパン」と名乗ることができるのです。
シャンパーニュ地方の南側はワインの産地として有名なブルゴーニュ地方です。南に進んでいくと森や林、湖のある自然豊かな風景に変わっていきます。では、この辺りで有名なチーズをご紹介しましょう。

シャンパーニュの乳から作られるシャウルス

シャンパーニュ地方の南端にシャウルスという町があります。この町の名のついた「シャウルス」は白カビで覆われたチーズです。直径と高さがほぼ同じ11cmで、この地方で生産される良質な乳から作られます。口の中でクリームのように溶け、淡い酸味が心地よく広がるのが特徴です。軽いカビの香りと風味は、シャンパーニュの個性とブルゴーニュの若々しさをあわせ持っていると賞賛されています。

歴史は古く、12世紀頃ボンチニー修道院で作りはじめられと言われています。14世紀にはシャルル4世がシャウルスの町の行幸で通る際にブルゴーニュの王妃にチーズの献上を求めたとの話もあるそうです。現在は3軒の製造所と1軒の熟成屋があり、約1700トンほど生産されています。

作り方

乳を24時間以上かけて凝固させた後、シャスラン(chaserons)という容器に入れ24~48時間かけてゆっくりと水分を抜きます。

型から出したチーズは麦わらをひいたものの上に置かれ熟成されます。最低15日間は製造したところで管理されます。

白ワインで洗われるエポワス

シャウルスの町をさらに南に進むと、スミュールの町に出ます。その町にあるエポワス城の名のついたチーズが「エポワス」です。表面は少々しわのあるオレンジ色か赤茶色、中身はクリーム色です。直径11cm、高さ3cm、重さ250gとカマンベールに近い円型サイズです。匂いはとても強烈ですが、しなやかで柔らかく繊細な風味で、強さと優雅さをあわせ持つのがこのチーズの特長と言えるでしょう。

16世紀初期にシトー派の修道士により作られましたが、農家の方々の手で改良され、代々受け継がれ今日の形になったそうです。第2次世界大戦後に絶滅の危機に瀕しましたが、1956年に村の有志の力添えで復活し、AOCの認定を得られるまでになりました。現在、5軒の製造者で650トンほどの生産量です。

作り方

チーズは乳酸菌の働きで16時間から24時間かけて凝固させ、適当な大きさに切断し型詰めします。自然の状態で水分を除き、型を外し、乾燥した部屋に置きます。

チーズは週に2~3回、マール(ワインの絞りかす)の入った液体で手洗いします。徐々にマールの濃度を濃くしていくため、白ワインの風味がつきます。色素を加えてはいけません。製造後、最低4週間熟成されます。

チーズの泉にワインを注いで召し上がれ!ラングル

ラングルという町の名のついた、エポワスにまけない強烈な個性のチーズがあります。「ラングル」は表面に泉(fonteine)と呼ぶ窪みがあるのが特徴です。明るい黄色から赤褐色をした薄めの外皮に包まれています。直径16cm、高さ5cm、重さ800gで、しなやかでとろけるような味わいです。

18世紀にドミニク会修道院で作られはじめ、ラングルを讃える歌もあるそうです。チーズ通の方は、ラングルの泉にマール・ド・シャンパンやマール・ド・ブルゴーニュを少量入れ、ねっとりとした食感と強い複雑な匂いを楽しむとか。興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

作り方

乳は一晩おいて乳酸菌の発酵を待ち、凝固させます。カードの切断は認められていますが、攪拌洗浄(加水)は禁じられています。

型詰め後、24時間かけてゆっくりと水を切ります。型を外し、塩付けし、麦わらをひいたものの上で乾燥します。表面の洗浄は熟成庫の中で行います。

熟成期間は最低で15日です。その間、継続してチーズの表面をFrements du rouge(赤い微生物)の含まれている水で手洗いします。この作業によりラングルの特徴ある風味が増すのです。

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