今月の
エッセイ

10

2017

料理は限りなく楽しい
リビングの壁面を利用して
家族写真を飾っています。

生まれたばかりの長女の顔を夫と私がうれしそうにのぞき込む写真、長男が生まれて4人揃った写真、私の実家の両親と撮った1枚、成長した子どもたち、小さな孫たちの愛らしいシーン、家族同様に一緒に暮らした猫たち⋯⋯、思い出の詰まった家族写真を、私はリビングの壁面に集めて飾っています。壁に直接ではなく、ドア1枚分ほどの白い板を壁に重ね、その上にフックをつける方法で、板ごとはずせば移動も簡単です。写真を入れるフレームはコンパクトなサイズを中心に、色はブルー、グリーン、白、クリーム、黒、シルバーなど2、3枚ずつ組み合わせてバランスを見ながら配置しています。その中でも「どこのものですか」とよく聞かれるのが、シルク地にビーズの飾りがついたおうちのような形のフレーム。昔イギリスによく行っていたころ、ロンドンの子供服のお店で見つけたものです。当時まだ小さかった娘と息子の写真を飾ろうと、ひと目で気に入って買いました。今、写真コーナーの前には夏の間、窓辺やテラスで使っていたグレーの2人掛けチェアを置いています。とても繊細な編み地なので、室内に入れても似合います。ふだん家の中を忙しく行ったり来たりする私は、ここにちょこっと腰かけて写真を眺める一瞬に癒されています。