食の歳時記
夏<9月> 舞茸(マイタケ)

illust/くっぱさん

吹く風も、空の雲もなんとなく秋の気配を感じる季節になってきました。
きのこ類が旬を迎えて、おいしくなる季節です。
今月は、見つけた人が狂喜乱舞したという「舞茸」のお話です。

舞茸は昔から”幻のキノコ”といわれるほどとても貴重なものでした。
昔はマツタケより、はるかに希少なきのこでした。

主に東北地方の深山のミズナラやシイの老木の根もとに自生するサルノコシカケ科のキノコです。9月ごろからが収穫の時期になります。大きいものは直径50cm以上、重さ10kg以上になるものもあります。

江戸時代、東北地方の大名が将軍に舞茸を献上しました。とてもおいしかったので、翌年も献上するようにお達しがあったのですが、そう簡単に入手できるキノコではありません。そこで、大名は地元に「舞茸を届けたものには同じ重さの銀を与える」とのお触れを発しました。

山深く分け入って、舞茸を発見したときの人々が舞い踊った様子が浮かんできます。
今でも天然ものは市場に出回ることはほとんどありません。

そんな舞茸も、1979年に人工栽培に成功してからは価格も手ごろになっていつでも食べられるようになりました。

さわやかな香りと独特の歯ごたえ。なべに入れたときは濃厚なダシが出ます。
バター炒め、天ぷら、卵とじ汁、焼き舞茸などシンプルなものから、なべや茶碗蒸しなどにも・・・。
秋田名物「きりたんぽ鍋」には欠かせない食材です。

今夜は、舞茸、エリンギ、しめじがたっぷり入った「キノコご飯」で秋を先取りしてみませんか。
(MCC通信 Vol.59)
illust/tamiさん
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