食ナゼ

ぼたもちとおはぎ

春分の日、秋分の日を中日とした前後3日の彼岸(ひがん)。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言うように、お彼岸が来るとそろそろ次の季節を意識しますね。
今年の秋分の日は閏年のため9月22日です。
この日を境に、夜の時間が次第に長くなり、暑かった夏も、少しずつ秋の気配をただよわせることでしょう。

仏教では生死の海を渡って到達する悟りの世界を「彼岸」といい、その反対側の私たちのいる世界を「此岸(しがん)」といいます。
太陽が真東から昇り真西に沈むこの日は、先祖が住む「彼岸」に一番近づける日といわれています。

お彼岸のお供えものの定番には、うるち米ともち米を混ぜて炊き米粒の残る程度についたものを、あんでくるんだ「ぼたもち」と「おはぎ」があります。
もちもちした食感、小豆の風味豊かなあんこ・・・・。
なんだか、懐かしくて食べるとほっとしますよね。
これらは、一体どこが違うのでしょうか?

実は、これらは基本的には同じもので、食べる時期によって呼び名を変えているのです。

「牡丹餅」「お萩」と、書いてみるとお分かりでしょうか。
春は牡丹の咲く季節。春のお彼岸では、牡丹の花に見立て、丸く大きく作られました。
一方、秋のお彼岸では、小豆の粒を群がって咲く萩のようにやや細長く、丸めて作られました。

何故、お彼岸にこれらを供えるのかというと、色々と説はありますが、小豆の赤色には「災難から身を守る効果がある」と信じられていて、邪気を払うという信仰が、先祖の供養と結びついたと言われています。

今では、呼び名の区別が無くなり、年中「おはぎ」が売られていますが、同じ食べ物に花の名前を冠し、日本人の四季を感じ取る心の細やかさに感心しつつ、秋のお彼岸では「お萩」をお供えしましょうか。