食の歳時記
春<5月> 春玉ねぎ

玉ねぎ、ジャガイモ、にんじんは家庭の常備野菜として、いろいろな献立に重宝していますよね。

玉ねぎは、一年中出回って、旬なんて無いように思いますが、季節により品種や供給する生産地を変えながら、旬のものが店頭に並びます。

この季節においしいのは、秋に種まきし、春先から初夏に収穫される春たまねぎです。
佐賀、兵庫、愛知など西日本で栽培されたものです。

一方、春に種を蒔き、9月から翌年4月頃まで出荷される玉ねぎは、そのほとんどが北海道産です。
主力の品種は、皮の茶色い「黄玉ねぎ」です。

原産地は、中央アジアから地中海沿岸に至るあたりとされています。近年の研究で、古代エジプトのピラミッド建設そのものが、農閑期の農民や、失業者のための国家的公共事業を兼ねていたのではないかと考えられています。

労働者達に、体力の維持と強壮のために、玉ねぎとにんにくが、配られたといいます。玉ねぎとにんにくを腰にぶら下げて作業をする様子がレリーフに刻まれています。

玉ねぎが日本に紹介されたのは明治以降。
北海道開拓使が、明治4年にアメリカから種を持ち込み、試作しました。

日本古来のネギと味わいが似通っていたため、たちまち好まれるようになり、全国に栽培が広まっていきました。

玉ねぎは、実・茎・根・葉のどの部分かご存知ですか?
実は、「葉」なんです。
葉が魚のうろこのように何枚も重なって丸くなったもので「鱗葉(りんよう)」と呼ばれています。

さて、玉ねぎを包丁で切ると涙が出てくるのはなぜでしょう?

玉ねぎの辛味成分「硫化アリル」が空気に触れると催涙性物質が発生して涙腺を刺激するから。

これを防ぐには、
切れ味の良い包丁を使う。
冷蔵庫で冷やしてから切る。
直前に包丁と玉ねぎの切り口を水にさらす。などだそうです。
玉ねぎに熱を加えると辛味に隠されて目立たなかった甘みがたってきます。加熱で水分が飛ばされいっそう甘く感じるようになります。

カレー、肉じゃが、グラタン、シチュー、酢豚・・・和洋中どんな料理にも縁の下の力持ち的活躍をする玉ねぎは、太古の昔から実力野菜なのです。

ゴールデンウィークには、春玉ねぎたっぷりのカレーやハンバーステーキなどで、アウトドアーランチを楽しんでみてはいかがしょうか?

追伸)
昔から、犬や猫に玉ねぎを与えてはいけないといわれています。
成分のイオウ化合物が中毒を引き起こし、溶血性貧血になって、ひどいときは死んでしまうこともあるそうです。

玉ねぎの入ったハンバーグなどは、犬や猫には絶対にあげてはだめです。
不思議なことに、人間にはこれを防ぐ物質があるので大丈夫なのです。
(Vol.67)
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