食の歳時記
冬<1月> 大根(ダイコン)

通年、店頭で見かけるダイコンですが、甘みが増し、水分をたっぷり含んでおいしくなるのは冬場です。

おでん、ふろふき、おろしや刺身のつま、味噌汁の具、ぶりダイコン、切干し、酢の物、お漬物と用途も多彩。
ダイコンは、作付面積、生産量とも、常に、日本の野菜のナンバーワンです。

「古事記」や「日本書紀」にも記述があり、古くから食されていたようです。

江戸時代には庶民の食卓には欠かせない食材になりました。関東近郊で盛んに生産され、練馬、亀戸、三浦などダイコンの産地が誕生しています。

日本全国に100種を超える地ダイコンがあるといわれていますが、生産量の95%を占めるのがおなじみの青首ダイコンです。辛味が弱く、煮崩れしにくいのが人気で、収穫時に引き抜きやすいのも生産者に重宝されています。

ダイコンは煮ても、生でも、おいしくいただけて、食あたりするようなことがありません。そこで、演じても評判にならず、当たらないダメ役者を「大根役者」というようになったとか。

ところで、ダイコンにはたんぱく質の消化酵素ジアスターゼが含まれています。
年末やお正月料理で疲れた胃にはダイコンおろしがお勧めです。あまったお餅も、ダイコンおろしと一緒食べると、消化を助けて胃もたれが軽減されます。

1月7日は、無病息災を願って「七草粥」を食べる風習があります。
「せり なずす ごきょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」と古くからうたわれ、水田のあぜに自生した草を細かく刻んで粥にしたものです。最後の”すずしろ”がダイコンです。

お正月に不足しがちなビタミンの補給と、疲れた胃を癒す理にかなった風習です。

今夜は、甘みがのったアツアツのふろふきダイコンでもいただきませんか・・・?
冬ダイコンのおいしさが、しみじみ味わえます。
(Vol.63)
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