食の歳時記
秋<12月> 門外不出のレンコン

illust/tamiさん

夏に可憐な花を咲かせるハス。その下では茎が成長しています。寒くなったこの季節に泥池の中から太った茎「レンコン」が掘り出されます。
穴の開いた不思議な食物「レンコン」は、鎌倉時代から食用として栽培されていました。
穴が開いて「見通しがきく」ということから、縁起物としてお節料理には欠かせない食材のひとつです。

この穴いくつあるかご存知ですか?
真ん中に小さい穴がひとつ。その周りに9個(まれに10個)の穴が開いています。葉から根に空気を送る通気孔です。
麦味噌と和からしを混ぜて穴につめ、衣をつけて油で揚げたのが、熊本名物「からしれんこん」です。
熊本細川家の家紋「九曜紋」は、真ん中の丸の周りを8個の丸で囲んだれんこんに酷似したものでした。
そこで、この「からしれんこん」は明治維新まで門外不出とされていたそうです。

ハスの花は仏教文化とかかわりが深く、聖花とされています。そのため寺院では競って蓮池を作ったそうです。また、お城の堀にも、よくハスが植えられています。これはろう城した時の非常食に「れんこん」を食べるためといわれています。
てんぷら、きんぴら、煮物、酢ばす、五目ずしの具など調理方法も多彩です。
寒さの厳しい中、泥に腰までつかってのレンコン収穫は重労働。みなさん冬のレンコンは心して食べてくださいね。
(MCC通信 Vol.62)
illust/チェブさん
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