食の歳時記
冬<3月> 菜の花

illust/tamiさん

菜の花や 月は東に 日は西に
江戸時代中期の俳人、与謝蕪村の作です。

一面に広がる黄色い菜の花畑。
東の地平線から白い大きなお月様が、西には赤い夕日が沈んでいく。
こんな早春の雄大な風景が目に浮かびます。

菜の花はアブラナ科です。
その名の通り「油菜」として古来より照明油の原料として重宝されていました。菜種油(なたねあぶら)と言われるように、種から油を絞っていました。
江戸時代。人口も増えて、人々が行灯(あんどん)照明を多用するようになり菜の花の栽培が急激に増えたといいます。

ひな祭りのひな壇にも、桃と菜の花が似合いますね。
菜の花は、油用、観賞用、食用と幅広く活用されています。

どうして菜の花を、野菜として食べるようになったのは、定かではありませんが、明治以降のことだとか。
開花する前の花茎とつぼみを食します。

ほんのりとした苦味と独特の歯ざわり、鮮やかな葉の緑と淡くのぞく黄色のつぼみになぜか春を感じます。

12月後半から、料亭や一部のスーパーで出回っていますが、量が多く価格も安くなり、おいしさが増すのは2〜3月だそうです。

菜の花は、さっと茹でて、冷水に戻し、お浸しや和え物でいただきます。また、スパゲティやグラタンなどにも良くあいます。
栄養面でもミネラル・ビタミン・食物繊維が、高レベルでバランスよく含まれています。
春の暖かい風がもうそこまできています。
今夜は、菜の花のお浸しに、サっと花かつおをふりかけて、春を先取りしてみませんか。
(MCC通信 Vol.53)
illust/菜々ちゃんさん
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