食の歳時記
冬<1月> 数の子(かずのこ)

illust/まおちゃんさん

あと数日で新しい年を迎えます。
皆様にとってどんな1年だったでしょうか?

ご愛読いただいている「食の歳時記」も4年目の新年を迎えます。
これからも食にまつわる楽しいお話をお届けしていきますので、引き続きご愛読くださいますようお願いいたします。

さて、スーパーの食品売り場には、お正月の食材が華やかに並んでいます。
普段の食卓には登場しない食材がこの時とばかり並びますね。
伊達巻、田作り、栗きんとん、酢ばす、昆布巻きetc
どれもそれぞれおいしく、お正月食材として縁起の良いものたちですが、どうして普段の食卓にはあまり使われないのでしょうか?
不思議です。

そして、その代表的な食材が【数の子】ではないでしょうか?
プチプチとした食感が独特ですね。かの北大路魯山人は、「数の子は音を食うもの」と言っています。
卵の数の多さが子孫繁栄を連想させることから、お正月料理や結納に縁起物として用いられるようになりました。室町時代後期の頃からといわれています。
【数の子】はニシンの魚卵です。無数の卵が互いにくっつきあって塊になっています。
ニシンはアイヌ語で「かど」と呼ばれていました。「かどの子」から「数の子」になったそうです。

昭和20年代までは大量に獲れてニシン御殿とよばれる大邸宅が、日本の北海の浜にたくさん建てられました。
しかし、乱獲と季節変動により昭和30年代ごろを境に水揚げが激減し、日本産の【数の子】は、超貴重品となりました。「黄色いダイヤ」の別名があります。
今は、カナダやアラスカ、ロシア産の輸入物が増えています。

2008年は、ニシンが異常なほどの大漁だそうです。北海道沿岸の港では、過去3年分の総水揚げを上回るニシンがこの一年で獲れたとか。
海水温が影響しているようですが、お正月にむけて「数の子」もお安くなると嬉しいですよね。
(MCC通信 Vol.51)
illust/tamiさん
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