食の歳時記
夏<9月> 無花果

illust/せいのすけさん

8月から10月にかけて店頭にならぶ果物です。
【いちじく】と読みます。
りんご、もも、柿、みかんなど果物は花が咲いて授粉して果実がなります。
いちじくは花が見えなくても実がなるので【無花果(いちじく)】と書きます。
昔の人にとっては、とても不思議な果物だったと思います。
じつは、実の中に小さな花をつけるため外からは見えないのです。
実の中にある赤いつぶつぶのひとつひとつが花なのです。これがいちじく独特の食感と香りを生み出しているのです。

一日に一つずつ熟すので「一熟」=いちじくと呼ばれたという説と、一ヶ月で熟すので「一熟」と言われたという説があるそうです。
いちじくは、「小麦より古く、人類最古の栽培植物ではないか」といわれています。約1万1400年前の遺跡から、栽培種と考えられるいちじくの種が発見されました。
古代エジプトの壁画にもブドウとともに、いちじくが描かれています。
旧約聖書にもたびたび登場します。
いちじくは、くわ科の植物でその葉は大きく、手のひらのように開いています。アダムとイブが禁断の実を食べて裸であることに気づき、いちじくの葉を腰に巻いたと書かれています。

アラビア半島が原産で、ヨーロッパ、ペルシャへと拡がりなじみの深い果物になりました。
日本には江戸時代に伝わりました。
カリウムや食物繊維が豊富に含まれています。乾燥果物やジャムとしても親しまれています。
(MCC通信 Vol.47)
illust/tamiさん
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