食の歳時記
冬<1月> 真ダラ(真鱈)

illust/ジョニー・デッブさん

お正月を迎えて、家族や親戚が集まってお鍋を囲むこともあるかと思いますが、タラのチリ鍋はいかがでしょうか?

昆布のだしにタラの切り身、白菜や季節のお野菜、お豆腐、などを加えて、ポン酢と薬味でいただくタラチリは冬のお鍋の定番です。
お野菜いっぱいカロリー抑え目、タラの皮と身の間から出るコラーゲンもたっぷり。美容にもよさそうですね。

ちなみに、チリ鍋の「チリ」とは、魚を熱湯につけたときにチリチリと縮むことから名づけられたと言います。

タラは魚偏に雪=「鱈」と書きます。まさに冬が旬のお魚です。
漁場の北日本沿岸では、初雪がふったころから、産卵を控えて脂の乗ったタラが獲れるので、この字をあてるようになったと言われています。また、身が雪のように白いからとも・・・。

真ダラは、世界中で消費されている重要な海洋資源ですが、近年、漁獲量が激減しています。鮮度の良い生の真ダラは、高級魚です。

お鍋といっしょにいただきたいのが、真ダラの白子(精巣)。
新鮮なものは非常にこくがあって美味。この時期の真ダラは白子を持ったオスに断然高い値がつきます。

真ダラは、大きな口でなんでも食べる大食漢です。タラのお腹はいつもパンパンに脹れています。「たらふく(鱈腹)食べる」は、ここからきています。

雑学をもうひとつ。
世界中で人気の犬種「ラブラドール・レトリーバー」は、タラと深からぬ縁があります。
カナダの北東部にあるラブラドール半島が出身地。
レトリーバー=retrieveは、「回収」という意味です。
この地で漁獲されたタラが港に水揚げされたときに、網からこぼれ落ちます。このタラを口にくわえて回収するのを仕込まれた犬種でした。

さらに、もうひとつ。
真ダラが獲れる漁場には、カニもいます。この漁場で獲れることから「タラバ(鱈場)ガニ」と呼ばれます。
身がぎっしり詰まってカニの王様と言われますが、カニではなくヤドカリの仲間です。

1958年から1976年にかけて、イギリスとアイスランドでタラの魚場をめぐって戦争状態になりました。「タラ戦争」と呼ばれています。
戦争になるほどの重要な経済資源だったんですね。

真ダラの仲間には、スケソウダラ(卵巣を塩蔵したり唐辛子で漬けたものが「たらこ」や「明太子」)、コマイ(氷下魚)などがいます。

ちなみに、スケソウダラのことを韓国語で「明太=ミョンテ」といいます。
スーパーで切り身で売られている「銀ダラ」は、タラの仲間ではなく、カサゴ目に分類される大型の深海魚です。

ともあれ、寒い冬の夜には、あったか〜いタラチリ鍋で、熱燗なんかがいいですね。体の芯からあたたまります。
今夜は、タラチリ鍋はいかがでしょうか? (^-^)/~~~
(MCC通信 Vol.39)
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