食の歳時記
秋<12月> 鍋にネギ

illust/ヨッシーさん

いよいよ寒さも本格的になってきました。
そんな夜はあったか〜い鍋が恋しくなりますね。
冬の鍋にかかせないのが「ネギ」。
冬のネギは、甘みが増し、具の食材の味を引き立ててくれます。
今月の、「食の歳時記」は、鍋料理に欠かせない「ネギ」のお話です。

「白の関東、緑の関西」と言われるように、関東では、白い部分(葉鞘)を、 関西では緑の葉を食べる習慣がありました。
白の代表が、根深ねぎ。スーパーなどでおなじみの「千住ネギ」です。 埼玉「深谷ネギ」が有名です。
緑の葉ネギは、京都が発祥の「九条ネギ」に代表されます。
根深ネギは、土を被いかぶせて(土寄せ)鞘を白く長く育てます。
土壌が深く柔らかい関東地方で生産可能なネギです。
一方、土壌の浅い関西では、葉ネギが広まりました。

他に、なぜかここの土壌でないと良いものができないと言われる群馬の「下仁田ねぎ」。
江戸時代、将軍家に献上されていたことから別名「殿様ねぎ」とも呼ばれます。
根深ネギと違って葉部も柔らかく、すき焼きには欠かせないネギです。

薬味や汁物に活躍するのは「博多万能ねぎ」。
鮮度を保つために関東市場などには空輸便で送られます。
別名「空飛ぶねぎ」と言われているとか・・・。
また、ネギの近縁種の「あさつき」、「わけぎ」など多種多様です。
ネギは、疲労回復や、風邪の予防に効くことが知られています。
ビタミンB1を多く含み、この吸収をたすけるアリシンを含んでいます。

ところで、日本人は、色彩に対してとても敏感です。
薄い青緑を表す「浅葱(あさぎ)色」、鮮やかな黄緑の「萌葱(もえぎ)色」は、 ともにネギの色からきたものだととも言われています。
浅黄・萌黄とも書きますが、本来は「葱」だそうです。

ともあれ、仲間や家族で食卓を囲むことが多い師走の寒い夜は、鍋料理が良いですね。
(MCC通信 Vol.38)
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