食の歳時記
秋<11月> 秋鮭(アキアジ)

illust/Tamiさん

天高く馬肥ゆるの晩秋。まさに実りの秋まっ盛りです。
今月はおなじみの鮭(さけ)のあれこれです。
鮭は、日本人が最も好きで、最もよく食べる魚と言われています。

北海道や東北の川で産まれた稚魚は、海へ出て(降海)、3年から4年かけて産卵のため産まれた川に戻ってきます(母川回帰)。
北海道では9月頃から本州では11〜12月に一斉に遡上してきます。
これが「秋鮭(アキアジ)」です。

鮭は、太古の昔から冬を越すための貴重な食料でした。
おなじみの新巻、スモーク、凍らすルイベなど保存方法も多様です。
また、スジコ、いくら、氷頭(頭の軟骨)、メンフ(塩辛)、皮焼、鮭中骨缶詰など、一本の鮭を余すことなく食べています。
ステーキ、スモーク、塩焼き、ホイル焼、フライ、ルイベ(刺身)、石狩鍋、ちゃんちゃん焼き(味噌をすりこんだ鉄板焼)、鮭茶漬け、など食べ方もバラエティに富んでいます。

鮭は、EPA(不飽和脂肪酸)が多く含まれ、中性脂肪やコレステロール値を下げ、血液をサラサラにしてくれます。
大量に出まわるこの季節に、鮭メニューの多様さを味わいましょう。

さて、「鮭児(けいじ)」と呼ばれている鮭を食べたことありますか?最近、旅行番組でも話題になってますね。
この季節に秋鮭の群れに紛れ込んだ、若い成長途中の鮭で、栄養が体に凝縮されて、脂ものって実も引き締まっています。
なんと数千本に一匹獲れるかどうかという幻の鮭で、秋鮭は、新巻で一匹5000円前後ですが、「鮭児(けいじ)」は6万円という途方もない値段がついています。鮭のダイヤモンドです。(もちろん私は食べたことありませ〜ん)

反対に「ほっちゃれ(捨てちゃえ)」と呼ばれるのが産卵を終えた鮭で、栄養分を使い果たし実も痩せ、そのまま食べてもおいしくないので、主に加工用にまわされるそうです。別名、「猫またぎ」とも言われています。
命がけで産まれた川に戻ってきたのに随分な言われ方ですよね。
(MCC通信 Vol.13)
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