雪印乳業株式会社
雪印乳業株式会社
お客様モニターの方々との活動
第四回お客様モニター活動報告
2002年9月3日大阪、6日東京にて、第4回お客さまモニター会を実施致しました。 内容は5月から7月まで3回に亘るモニター会・工場視察を経てモニターのみなさまから頂戴したご意見・ご要望、お叱り、疑問のお声を受け止め、経営に反映させるための「雪印の改革の方向性」を会社側からご提案し、審議していただくことでした。

大阪会場

東京会場



「雪印の改革の方向性」の策定までの経過
第3回目のモニター会では、7月までのお客さまとのディスカッションやアンケートから頂いた約400項目に及ぶご意見、ご要望、疑問の中から、「お客さまが雪印におっしゃっているお声の本質には、何があるのか」を社内で徹底的に議論し、「お客さまから見た雪印の10個の問題点・課題」に抽出いたしました。
「企業の価値、使命、ミッションが見えない」「あたりまえのことをあたりまえにできる組織なのか」「食を預かるという意識がないのではないか」など、抽出した10の問題点・ 課題毎に更に深く掘り下げてグループ討議を徹底的に行いました。
お客さまから見た雪印の10の問題点・課題( 17kb)
第3回のモニター会の答申を受けて、社内では「10の問題点・課題」を解決し、経営に反映するための「雪印の改革の方向性」について討議し、凝縮した、その結果、お客さまが雪印に変革を求めていらっしゃる本質は、食中毒事件を教訓として、企業倫理の土台の上で、「食品メーカーとして、あたりまえのことをあたりまえにやれる企業への変革をお約束すること」にあるという結論に達しました。
そして、雪印の企業体質の変革の方向性として、次の「3つの改革の柱」を策定いたしました。

改革の柱 1「安全・安心に向き合う」雪印に変革する
  ……従業員全員が「安全の仕組み」を一丸となって構築し、運営している会社。
その情報を積極的にお客さまにお伝えし、お客さまに安心と信頼をお届けする体制になっている会社。それらの仕組みを進化させ続ける会社に変革する。
改革の柱 2「お客さまに向き合う」雪印に変革する
  ……絶えず「お客さまとは」を問いかけて、お客さまと私たち雪印乳業との様々な生活・社会的価値観の「ズレ」のない努力を継続していく会社。そして変革し続ける会社になる。
改革の柱 3「食の責任を認識する」雪印に変革する
  ……全従業員が「食を預かる責任を認識」し、社会に貢献していく会社に変革する。

これまでもモニター会の内容やお客さまの声をビデオ等を通じて報告してまいりましたが、8月上旬、役員会において「3つの改革の柱」を社長の高野瀬をはじめ役員で討議し、方向性についての基本承認を得ました。社長から経営企画・企業倫理と商品安全監査・生産技術部門を担当する2人の取締役(高原・小川)を推進リーダーに任命し、責任8部署 からなる「横断的プロジェクトチーム」を編成し、「3つの改革の柱」の具体策づくりがスタートいたしました。
「横断的プロジェクトチーム」は各部門の責任者をメンバーとし、モニター会のご意見・ご要望やビデオでのモニター会の模様を確認し合い、「食中毒事件後取り組んでいるが徹底度が不足しているもの」「現在、構築中、または見直していること」「新たに構築しなければならないこと」に分類し、4回に亘り議論を重ねてまいりました。
当初は部門から「もうすでに実施しているテーマだ」「いや現場によって、バラツキがある現状を把握していない」「お客さまは全従業員が、徹底することを指摘されている」「事業を超えて横断的になっていない」「お客さまは標準化と統一をいわれている。雪印に欠けていたのは、まさしくこのことだ」「それは、社内論理での内容に留まっていないか。社内外にわかりやすいシステムに変えることだ」、「実際にやっていることをお客さまに伝えていないのも問題だ」など、激論が交わされる場面も数々ありました。最終案として、8つの解決テーマと24の具体策にまとめ、制度やシステム・マニュアル・研修にまで踏み込んで検討しております。
これらの案は、本モニターのコーディネーターをお願いしております社外アドバイザーの井上チイコ先生と日和佐社外取締役とも討議し、アドバイスを頂戴しております。
8月下旬の役員会で、正式にこれらの案を「雪印としての改革の柱」とすることを決定。社長が最終責任者として、2人の取締役をリーダーとし、推進することを表明いたしました。
雪印「3つの改革の柱」( 31kb)
今回の、モニター会ではこの「3つの改革の柱」と具体策について、取締役及び経営企画、企業倫理、商品安全監査、生産技術、酪農各部の責任者が出席し、モニターのみなさまに、ご提案し、意見交換を行い、審議していただきました。

モニターのみなさまからの主なご意見
今までの私たちの議論が随所に入れられており、良かったと思う。これを着実に実行していって下さい。
立派なものが出来たが、要はこれを全組織に十分浸透させることが重要ではないか。それは大変厳しく、地道で時間のかかる仕事だと思う。それをやり遂げて欲しい。
基本的には受け容れられる内容だと思う。ただこの改革について、誰が進捗をチェックしていくのか、誰が責任を持って実行していくのかを明確にして欲しい
私たちモニターはあと1カ月で任期終了だが、一般の消費者としては、どうやって進捗状況を知ることが出来るのでしょうか。
3つの柱はどれもあたりまえの印象を受けます。あのような事件が起きなくても、気の利いた会社なら、これらのことは実践されていたかもしれないと思える。しかし、だからこれでは不十分というわけではなく、自分達で悩んで考えた末に正しいスタートラインに立ったことに意義を感じます。重要なのは、この改革案の作成がゴールではなく、ようやく引いたスタートラインであることだと思います。
3つの改革について、すぐ必要なものもあれば、1年以上かけても良いものもあると思う。具体的内容については達成時期や優先順位をつけるべきでは。
今後雪印は各事業ごとに他社と提携して分社化していくと聞いていますが、各社に対して改革の考え方やマニュアルを浸透・徹底してゆけるのでしょうか。
わたしはずっと雪印に「食の安全をリードし、社会に貢献できる活動の充実」を求めてきて、中でも消費者としては食品の表示問題が本当に関心事です。表示問題は是非専門部会を作って、わかりやすい表示を確立して下さい。何でも細かい表示を求めているわけではなく、表示用語の意味とかでもわかり易く説明してもらえたら、と思います。スペースの問題とかあるとは思いますが、牛乳とかは大きいので、もったいないと感じています。

井上チイ子先生の総括
  この改革案はモニターのみなさんの今までの議論が反映されており、愛着が感じられるのではないかと思います。企業にとってみなさんの声はどんな価値があるかというと、そこにしっかりとした意味を見いだし、改革に繋げていくということであり、ただ聞くだけならパフォーマンスに終わってしまう。そうならないためにも、みなさん方は今後も雪印から目を離さないで見守っていくことが必要だし、雪印が真の改革を実現することがこの場にいる者全員のお願いだと思います。
そもそも商品や企業とは消費者が作り出すことが出来ない価値を提供している意味で「社会的財」であり、決して消費者と企業側とが対立するのでなく、知恵を出し合う良い関係を構築していくことが重要であること、お客さまに色々な情報を提供する道具としてはインターネットや広告だけでなく、商品へのメッセージ記載などの密着度の高い関係をいかに作っていくかが重要であること、などのお話がありました。
今回、会社側の提案をモニターのみなさまは受け止めていただいたと理解いたしました。 次回の最終回では、これら、みなさま方のご意見を受け、社内でさらに討議し、最終的な「改革の柱」を会社としてご提示し、お約束してまいります。
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