顔のたるみやシワ、その原因は骨密度かも
~気になる見た目と骨の関係~

骨は美容や見た目にも関係しています

骨は、身体を支える、内臓を守る、血液を作るなど、私たちが生きるためにとても重要な役割を果たしていますが、実は、美容にも大きく関わっています。

年齢とともに気になってくるのが、顔のシワやたるみ、ハリの低下、ほうれい線…。
それによって実年齢より老けて見える「老け見え」も悩みのタネです。

今まで以上にマッサージや化粧品や美容液で外側からしっかりケアしているのに、なかなか変わらないと感じている人も多いのではないでしょうか?顔のたるみやシワの原因は、紫外線や乾燥、栄養不足、ストレスなどさまざまなものがありますが、実は「骨密度の低下」も原因の一つと言われています。

骨密度の低下がシワやたるみの原因になることも

骨密度が低下すると、顔の骨も委縮して「骨やせ」が起こります。顔も身体と同じように骨によって支えられているため、骨やせが起こると見た目にさまざまな変化が表れてきます。

例えば、骨やせにより顔の筋肉を支えるじん帯が緩むと、表面の皮膚がたるんで全体的にシワが増え、ハリがなくなり、たるみが目立つようになる。眼窩と呼ばれる眼球の入っているくぼみの骨の縁が大きく広がり、目がくぼむ。
頬の骨がやせると、目頭の下から頬の中央あたりの斜め下に入るゴルゴライン(ゴルゴ線)やほうれい線はいっそう深くくっきり。 そして、あごの骨がやせると、二重アゴになりやすくなり、首にもシワ…。

美容液やパックなどでのお肌のケア、フェイシャルマッサージなど外側からいくらケアしても変わらないという場合は、骨が原因である可能性も考えられます。
骨密度の低下は、手、足、腰に限らず、頭がい骨から顔に至るまで全身の骨で起こりますが、顔の骨からはじまると言われています。 特に目の周りなどの上顎の骨密度は、40歳過ぎるとガクッと低下し、目の下のたるみの原因になります。
さらに全身の骨密度が低下してくると、将来的には骨粗しょう症などにより背骨が曲がってしまうなど、もっと大きな見た目の変化にも繋がるのです。

顔のお肌の悩みが増えてきたら、骨のケアも意識し、身体の芯からの美しさを目指しましょう。

骨密度は20歳頃がピーク!それ以降の年齢とともに低下

骨は、古い骨がこわされて新しい骨に生まれ変わる新陳代謝を、日々繰り返しています。
この新陳代謝のバランスが崩れると、骨がスカスカな状態になって骨密度が低下します。

骨が生まれ変わるサイクルに大きな影響を与えるのが、女性ホルモンです。
女性は年齢とともに女性ホルモンの分泌が減少すると、骨をこわす働きが活発になり、骨をつくるスピードが追いつかなくなってきます。
それに伴って、骨密度も20歳頃をピークに下がり始め、50代になると、ぐっと低下していきます。

骨自体は目に見えないため、変化していることになかなか気づきにくいのですが、身体の中では徐々に変化が起こっているわけです。
骨密度の低下については「自覚症状はないから平気!」「まだ若いから大丈夫!」と、決して油断は出来ません。

ゆりクリニック院長 矢吹有里先生監修

すべての女性が今すぐ始めたい!健康と美しさを保つ「骨美容®」

「骨美容®」とはご自身の骨密度を知り、骨を丈夫にし、骨格を美しく保っていくための考え方です。
骨密度は20歳頃がピークですが、肌と同じように新陳代謝して3~4年で新しいものに生まれ変わっています。
そのため、これからはこれ以上骨密度を低下させず、骨の代謝を促す日々の食事、運動、行動習慣が欠かせません。強い骨を作って、いつまでも健康で美しく若々しさがアップする「骨美容®」に取り組んでいきましょう。

今すぐ始めたい骨美容®習慣①食事

丈夫な骨づくりに必要な栄養を積極的に摂りましょう。
骨を作る栄養素の代表格といえば、カルシウム。カルシウムを多く含む食品は、魚や海藻類、緑黄色野菜、牛乳・乳製品です。なかでも、牛乳、チーズやヨーグルトなどの乳製品は吸収率が高く、調理せずにそのままでも食べやすいため、他の食品に比べて効率よく摂取できます。

ただし、カルシウムは身体に吸収されにくい成分なので、吸収を助けるビタミンDも必要です。
ビタミンDは、魚やきのこ類に多く含まれています。
また、骨の代謝を助けるマグネシウムや、丈夫でしなやかな骨を作る栄養となるたんぱく質も補っていきましょう。

今すぐ始めたい骨美容®習慣②運動

骨を強くするためには、運動も不可欠です。骨は衝撃を与えられることで骨細胞が活性化され、強い骨に生まれ変わっていきます。

手軽に始めるなら、ウォーキングやジョギングなどが良いでしょう。
さらに、縄跳び、バレーボールやバドミントン、ダンスなどジャンプする動きがある運動は、骨に適度な負荷がかかり骨代謝が促されます。筋肉が強く収縮することでも骨に刺激が伝わるため、スクワットなどの筋肉トレーニング、ヨガなどもおすすめです。

今までまったく運動していないという人は、階段の昇り降りや散歩から始めてみましょう。
最も簡単なものだと、かかとを上げてストンと下げる「かかと上下運動」が効果的です。
信号や電車の待ち時間といったスキマ時間に、無理なく取り入れられます。

運動で身体全体の筋力がアップすれば、背中や腰が曲がらずきれいな姿勢を保って若々しい印象にもつながります。

今すぐ始めたい骨美容®習慣③生活習慣

健康な骨の維持に欠かせないビタミンD。
食品からだけでなく、日の光を浴びることによっても生成されるので、適度な日光浴が必要です。
日焼けによるシミやそばかすなどが気になって、太陽はできるだけ浴びないようにしているかもしれませんが、それこそが骨を弱くしてしまう原因に。

日光浴といっても夏なら日陰で15分、冬場は1時間程度で良いといわれています。
そこまで時間が取れなくても、朝起きて太陽を浴びる、1日数分程度など、シミが気になる顔は避けて、ベランダで日光浴するだけでも違います。

今すぐ始めたい骨美容®習慣④骨密度チェック

骨密度の低下は、見た目や症状にすぐには表れません。
知らないうちに進んでいるので、肌や髪のメンテナンスと同じように、定期的に自分の骨密度をチェックして見える化しておくことが大事です。
骨密度は、病院の整形外科、保健所、定期健診などで簡単に知ることができます。 症状や見た目に表れる前の早めの対策が、何よりのエイジングケアです。

骨は「減ってから補う」より、「減らさないようにキープ」!

年齢を重ねると、若い頃のように骨密度を上げるのは難しくなります。大切なのは、「減ってから補う」のではなく「減らさないようにキープする」こと。
骨美容®習慣は、どれも毎日の生活をちょっと意識すれば取り入れやすい、手軽なものばかりです。骨を健康に保つことは、身体の健康はもちろん、美しさにもつながります。これからは外側のケアだけでなく、内側の骨美容®も心掛け、外と内の両方から美しさを目指していきましょう。

※「骨美容®」とはご自身の骨密度を知り、骨を丈夫にし、骨格を美しく保っていくための考え方のこと「骨美容」はゆりクリニックの商標です

ゆりクリニック院長 矢吹 有里
監 修
ゆりクリニック院長 矢吹 有里

東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入室、その後 東京都済生会中央病院整形外科医長などを経て2017年11月「ゆりクリ二ック」開院

日本整形外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本骨粗鬆症学会会員、日本美容皮膚科学会会員

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