雪印乳業株式会社
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お客様モニターの方々との活動
第2期首都圏お客様モニターのご報告
2003年7月11日、首都圏のモニターの皆様と向かったのは栃木県那須郡那須町、今牧場さん。
この日は、男性モニターは5名中4名、女性モニターは10名中7名、合計11名が参加しました。間近で見る大きな牛の様子やその衛生的な施設に驚かれた方もいたようでした。

見学を終えて近くの集会場に移動すると、生産者の皆様がご自慢の食材によるたくさんの料理で私たちを迎えてくださいました。皆様の解説を聞くと、こだわりや思いがさらに味を引き立てて、ますます美味しい料理になりました。
落花生の炊き込み御飯、野菜の煮物、手作りのカッテージチーズを使った和え物、ブルーベリーやプルーンがたっぷり入った手作りのパン、漬け物、牛乳からカッテージチーズを作って練りこんだチーズケーキ、おからの出ない豆腐、地元の牛乳・・・。ここでお料理の写真をご紹介したかったのですが、バイキング形式での美味しい昼食に、思わず撮影を忘れてしまいました。生産者の皆様、お詫びとお礼を申し上げます。ごちそうさまでした。

いよいよ対話会がスタート。生産者の方から消費者の方へ、さまざまな声が出ました。





「わくわくネットワーク」の皆様からの声
安心・安全といろいろ考えるけれど、やはり一番には、生産現場ってこんな苦労もしているという現実を、足を運んで自分の目で見て欲しい。動物に限らず野菜も果実もすべて生き物です。私たちは“日々大地の恵みを受けて生きている生き物”をいただいていると自分たちがしっかり感じ、また子供たちに伝えていく。そうするところから命の大切さが次の世代にも伝わっていくのではないかと思う。お店に並んだものだけを見ていてはなかなか見えてこないのではないかと思う。できることをもっとやって欲しい。
BSEの発生以来皆さんはお肉を食べていただけましたか?BSEについて何か勉強して知ろうとしましたか?生産者には大変な苦労があった。今何をすべきか考え、消費者以上に理解しなければと勉強しました。
牛小屋や農家のハウスがきれいというのは私たちにとっては当たり前のこと。汚ければすぐに菌が繁殖する。見て、あるいは聞いて、初めて分かることがたくさんあります。生産者にとって当たり前のことも、生産者に聞かないと分からないんです。
トレーサビリティが言われるようになったのは最近だが、ずっと以前から、この時期にこんなことをした、農薬は〇〇を使った、ということは各農家で責任を持っていた。たまたまそうしない人がいて問題提起され「こんなダメなことがあったから一斉にやりましょう」となって、生産者としての自信や約束として制度に沿ってやっている。皆さんは「生産者がこんなことを言っていた」と周りの人に言って欲しい。私たちは今日来れなかった仲間に「消費者はこんなことを求めている」と話すから。
トレーサビリティのためにパンチで標を耳に打つけれど、既に標が打たれているため1頭の牛が4枚の標を打つことになる。牛本人はもちろん周りの動物も一緒にストレスを感じている。牛は乳の出が悪くなったり餌を食べなくなったりと負担が大きい。でも、それをしなければ“消費者からの信頼に結びつかない”のであれば、牛には気の毒だけども仕方がないと思っている。
こだわりの農産物はEマークとして各都道府県で認証されている。いきなりこれだけ見たのでは分からないと思うけれど。(見本を回覧してくださいました。)「Eマークって何だろう?」と思ったらぜひ調べて欲しいです。
新しい乳製品が出てくる度に、牛乳を生産する酪農家がいなくなったら乳業会社はどうするのだろうと思う。美味しい乳製品を安心して食べたいなら、モニターとして雪印を応援するだけでなく酪農家も応援して欲しい。
牛乳と水で値段が同じだったり牛乳の方が安かったりすることについてどう思うか聞かせて欲しい。私たち生産者はやっぱりとても残念なことだと思う。
これから食を作るのは、生産者でもなく消費者でもない。みんなで一緒に作るもの。

お客さまモニターさんからの声
一般消費者には、新聞やテレビで言うことを水戸黄門様の印籠かのように信じてしまう傾向がある。
自分でリスクを背負わないという悪い癖もある。「〜が言っていた」「〜に書いてあった」ではなく、自分で判断しなければいけないと思う。
子供を含め家族の食を預かる主婦としては、少しでも危険な情報がある間は様子を見たいと思っていた。ただ今日、生産現場を見て、(マスコミなどの)情報に流される自分を反省する気持ちにもなった。
例えばBSEの時は、自分が拒絶するというよりも、目の前から無くなっていた感じ。選択することができなかったし情報も入らなくなった。また時間の経過とともにマスコミが騒がなくなる気がする。
自分たちが知らずにしていた要求が、生産者の皆様に対して負担を強いることにつながるのかもしれないと感じた。
子供は、近所の農家で手伝わせてもらった米作りの体験を鮮明に覚えている。小さい頃からの経験が大事だと感じている。

生産者の皆様は私たちにこんなお話もされました。
「生産者の顔や思いを一番伝えられるのは、メーカーだと思う。一般の消費者の方は今日のように直接生産者の声を聞くことはなかなかできない。メーカーが何らかの形で、広告や商品パッケージなどで伝えて欲しい。コマーシャルでもホームページでも、今日のような熱い本当の声を流して欲しい。」
「生産者とメーカーが理解し合い、距離が縮まれば、その先の消費者との距離も縮まると思う。生産者は自信を持って作ってメーカーに預けている。生産者のその思いを感じて、その思いを組み入れて、商品として消費者の手元まで届けて欲しい。」
「消費者は神様ではない。消費者も生産者も、お互いがきちんと情報を出して理解し合い、学習していくことが必要。」

■ Eマークについて ■
優れた品質 Excellent Quality
正確な表示 Excellent Expression
地域の環境と調和 Harmony with Ecology
Eマークは上記の英語の3頭文字を食品の「品」に図案化したもので「良い品(イイシナ)」であることを表しています。
Eマークは、地域の原材料の良さを活かしてつくられた特産品に、都道府県がつける共通のマーク。地産地消タイプの特産品に、共通の認識マーク「Eマーク」をつける「地域特産品認証事業」を実施しており、認証された地域特産品は、その優れた品質と信頼の証として「Eマーク」が表示される。
生産者にとっては“原料や技術へのこだわりが正当に評価される”メリットがあり、流通業者にとっては“仕入れの目安になると同時に消費者へのアピールになる”というメリットがあり、消費者にとっては“生産者のこだわりが一目で分かり安心して購入できる”というメリットがあるとされる。

対話会を通してそれぞれにいろいろな気持ちが生まれたように思います。
生産者と消費者の距離が遠くなってしまったと言われることがあります。
その距離を元に戻すための一つの役割を私たちメーカーも担っていると思います。

“メーカーと生産者と消費者との対話”と表現するにはまだ足りないものばかりでした。
参加したほとんどの人が初めて顔を合わせる間柄で、時間はたったの数時間。
この第4回を終えてから、「継続する会の第一回なら良いけれど一度だけでは・・・」と、参加した生産者の方からもモニターの方からも指摘を受けました。
課題を多く残してしまった回ではありましたが、参加者それぞれがいろいろな気持ちを抱いた回ではありました。
事務局としてはこの反省を今後につなげなければいけません。


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