食の歳時記
夏<8月> 偉大なるイワシ

毎年6月から7月の南アフリカ東海岸では、大自然の、食うもの食われるものの壮大なスペクタルが繰り広げられ、プランクトンを追って北上する、10億匹を超えるイワシの大群と、それを追うたくさんのイルカ、鮫、鯨、オットセイ、空からはカツオドリが・・・

イワシたちは群を大きく見せるために渦巻き状に旋回します。隣の魚との間隔を察知するセンサーがあり、同じ方向へ乱れずに泳ぎます。
とにかくイワシの種の保存戦略はその数です。

わが国でも、大量に捕獲できたので価格も安く、庶民の重要な蛋白源となっていました。
「海の米」「海の牧草」などといわれています。

それでも大半は家畜の飼料や、畑の肥料として使われています。
イワシの実力は、その加工食品の多さにうかがえます。

まず、「しらす」。
しらすを薄い塩水でさっとゆでたものが「釜揚げしらす」。
それを乾燥させたものが「ちりめんじゃこ」。ゆでずにそのまま乾燥させたものが「たたみいわし」。

体長35〜50mmの稚魚期を乾燥させたものが「煮干(いりこ)」。
成魚は「めざし」などに加工されます。

マイワシは、10〜20年周期で漁獲量が大幅に変動することが知られています。
1980年代後半に年間450万トンあった漁獲量(日本)は、90年代には1割程度に激減しています。
そのうち、高級魚になるかもしれませんね。

ご存知のようにイワシには、EPA、DHAという不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。脂肪もたんぱく質も良質です。
カルシウムやビタミンDも含み、人間ならずとも他の捕食者にとっても栄養満点の魚なのです。

マイワシは、8月ごろから脂がのり、おいしくなります。
刺身、塩焼き、煮付け、味噌煮、イワシのつみれなど調理方法も多彩。
旬で新鮮なイワシを今夜のおかずの一品にいかがでしょうか?

いわしのチーズフライ梅肉風味の作り方はこちら
http://www.meg-snow.com/recipe/index.php/recipe/detail/150.html
(Vol.70)
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