牧場通信

北海道 金川牧場

牧場名 金川牧場
所在地 北海道勇払郡安平町早来富岡316
開設 昭和41年(入植は昭和24年)
規模 年間出荷乳量 約2,200t
飼料畑 約150ha
牛の頭数 乳用牛/380頭
肉用牛/70頭
牛舎 フリーストール及びフリーバーン

北海道の大地が育む優良牧場

金川牧場は、北海道の玄関、千歳空港から車でおよそ15分、地平線のかなたまで大地がつらなる、安平町早来にあります。
この地は、北海道の南部、太平洋に近く、海洋性気候のため一年を通して温暖で雪も比較的少ないそうです。酪農と競争馬の生産が盛んで、昭和の初期に、入植者によって本格的に開拓がはじまり、酪農が大きく発展しました。

今回、お話を伺ったのは金川幹司(かながわ かんじ)さん(77歳)。昭和24年、父親と一緒に、この未完の離農跡地に入植し、苦節58年、現在の規模まで築き上げられました。
現在は、牧場の代表取締役であるかたわら、北海道酪農協会会長や酪農学園副理事など要職も勤められ、酪農振興のためにご活躍されています。
その功績が認められて、平成15年には、旭日小綬章を授与されました。

酪農への道

幹司さんが中学校在籍時、戦時体制の学徒動員令により援農で農業を経験し、戦時中の飢餓体験とも相まって、農業に人生を賭ける決意をされたそうです。「ろくな食べ物もないときに、農家には食べ物があった。山羊の乳の余りを飲んだときは、世の中にこんなうまいものがあるのかと心の底から思ったよ」と当時のことを語ってくださいました。
これが、酪農を生涯の仕事にしようと思う原体験となりました。

家族とスタッフ

金川牧場は経営者の幹司さんはじめ、長男(幹夫さん)、次男(信夫さん)長女(由美さん)それぞれが、ご夫婦で経営に参画されています。牧場全般は、幹夫さん、畜産管理全般は信夫さん、由美さんは経理全般と、それぞれ得意分野をお持ちの方々が役割を果たし、家族全員と従業員スタッフが力を合わせて牧場を運営されています。

酪農の知識吸収への意欲

幹司さんは酪農への知識を深めるため、当時では非常に珍しいアメリカ留学を体験されています。
昭和27年に渡米を決意、冬の農閑期に米軍キャンプで働きながら英語を勉強し、その際に知遇を得たカリフォルニア大学ネルソン教授の招きで昭和29年に渡米されたそうです。5年間の滞米後、酪農経営を現在地で再開。昭和41年に有限会社金川牧場を設立。現在に至っています。

経営の効率化

金川牧場は、昭和54年よりコンピュータを活用し、飼養管理、繁殖管理、財務・税務管理などに使用しているとのこと。「一人1台のパソコンをLANでリンクしてあります。管理状況などはいつでも見ることができますよ。」と幹司さん。
アメリカ留学で、近代的な酪農経営を学んだこともあって、早い時期から、情報管理による経営の効率化をめざしておられました。30年も前にコンピューターを導入されていたのには驚きました。
新しいものも積極的に取り入れ活用していこうという経営姿勢が成功の秘訣のようです。

品質管理

金川牧場の乳牛は1日に3回搾乳されます。「およそ230頭の搾乳は、準備・掃除を含めて一回当たり3時間弱かかります。一日3回搾乳することで牛を観察する時間が増える。この牧場では夜の搾乳から次の朝の搾乳までは5時間くらい。最長で5時間位しか空白時間ができない。絶えず牛を見ることで、牛の体調管理=生乳の品質管理につながる」と幹司さん。

パートさんも品質管理に一役買ってます

夜の搾乳にはパートさんを活用されています。「この周辺は働く場所も余り無いし、特に主婦の方には夕食後でもできる夜間の搾乳はちょうど良いようだ」と幹司さん。夜間も搾乳できるからこそ、牛が人の目から離れている時間を短縮できているそうです。
前項でも触れましたが、品質管理の基本になっているようです。

子牛のミルクもコンピューターで

子牛にミルクを与えるのも、とてもこまやかな注意が必要な仕事です。成長にあわせて、ミルクの量を調整しなければなりません。しかも一日に何度も・・・

そこで、金川牧場では、自動哺乳機が活躍しています。子牛の首についている数字のタグで、固体を識別にして、その固体に応じたミルクを与えるのだそうです。


あの方も視察に・・・

2004年5月には、なんと当時の首相である「小泉純一郎」さんも視察に訪れたそうです。「SPから地元の政治家まで、大騒ぎだった」と幹司さん。事務所には当時の写真や新聞記事の切り抜きなどが飾られていました。

※金川牧場は、個人の見学は受け付けておりません。

編集後記

大変お忙しい中、取材対応いただき本当にありがとうございました。有限会社 金川牧場さんは、厳しい品質管理のもとに、ご家族・スタッフそれぞれの得意分野を活かした経営で新鮮な牛乳を生産され、雪印メグミルク札幌工場にも納入していただいております。
皆さんの努力でできる生乳をフレッシュなままお客様にお届けする努力を継続することでメーカーとして期待に応えて生きたいと思います。

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