今月の
エッセイ

12

2019

料理は限りなく楽しい
ウエルカムプレートを用意すると
おもてなしの気持ちが伝わります

おもてなしのときや家族でもちょっとあらたまった気分の食卓に、私が用意しているのがウエルカムプレートです。といってもむずかしいものではありません。例えば今回ご紹介したレモンバターチキンがメインになる食卓では、盛りつけるミート皿とパン用の小皿にナプキン、ナイフ、フォークをきちんと重ねます。これだけではちょっと堅苦しいので、庭で摘んだレモンマートルの葉を1枚添えて、小さなキャンドルも飾ってみました。葉をローリエに替えたり、ローズマリーなどがあればミニリースのように巻いて添えます。緑がちょっと加わるだけで食卓がくつろいだ温かい感じになります。ワイングラスやつけ合わせを載せる大皿も置いて全体の雰囲気がこれでいいかどうか、前もって考える時間にもなります。もっとカジュアルな取り分けスタイルのときは、テーブルクロスを柄物にしたり、取り皿の上に明るい色の紙ナプキンを1枚載せてナイフ、フォークか箸をセットすることもあります。いずれにしてもウエルカムプレートがあると「楽しみに待っていました」という気持ちが自然に伝わる気がして、私の長年の習慣になっています。