今月の
エッセイ

写真の蓋ものは、小さいもので直径３㎝あまり、大きいものでも６㎝足らず。どれも手のひらに納まってしまう大きさで、私の手持ちの一部です。素材は塗りものやガラス、色絵の陶器などが好きなので、出先で気に入ったものを見つけるとつい手に取って、買い集めてきました。ふだんは七味唐辛子を入れてそばやうどんに添えたり、練り辛子を入れておでんに添えたり、天ぷらには塩入れにして使ったり。酒のつまみには塩辛とかイクラなどをほんの少し盛って蓋をし、ほかの小皿料理と一緒に並べて出すこともあります。とくに１人や２人家族の食卓では、こういう器がちょっと添えてあると楽しくて華やいだ気分になりますね。もちろん忙しいときは瓶入りの調味料をそのまま使えばいいのですが、ひと手間かけて蓋ものに入れ替えてみると、思いのほか丁寧に器や食材を扱うようになるから不思議です。食卓以外だったら、小さなアクセサリーを入れたり、春先ならビオラの花を数本束ねて生けたりするのもかわいいと思います。