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ミルクアカデミー ヨーグルト研究室

ヨーグルトの歴史

乳利用の歩みとともに

乳利用の歩みとともに

ヨーグルトの起源は、牛やヤギが家畜化され、そのミルクが食糧として利用されるようになった頃と推定されます。自然界の乳酸菌がミルクを発酵させてできた固まり(ヨーグルトやフレッシュチーズの原型)が、風味よく美味で、ミルクそのままより日持ちもよいことから広まっていったのでしょう。以来風土の違い、乳や菌の種類、作り方の個性により、その土地その土地に特有のヨーグルトが育まれてきました。

生物学者メチニコフ

健康効果に世界が注目

近代になりフランスの科学者パスツールの研究により、乳酸菌などの微生物の生態が少しずつ明らかになりました。さらに、生物学者メチニコフは、ヨーグルトを常食としている東欧の村に長寿が多いことに着目し、乳酸菌から作られるヨーグルトの健康効果をはじめて科学的に究明。“健康によい食べ物ヨーグルト”の認知は大いに浸透していきました。

日本での広まりはまだ半世紀

一方、日本では飛鳥時代、朝鮮半島から仏教とともに搾乳の知識が伝えられ、仏典にも記述のある「酪(らく)」「酥(そ)」「醍醐(だいご)」といった乳製品が作られました。これらはヨーグルトやバター、チーズなどの原型のようなものと推定されます。しかし、こうした乳製品は程なく途絶え、その後ヨーグルトが「凝乳(ぎょうにゅう)」の名で登場するのは明治中期のこと。ヨーグルトとして広く親しまれるようになったのは、昭和の後半になってからです。ヨーグルトの長い歴史からみれば、ごく最近のことなのです。

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