雪印乳業株式会社
雪印乳業株式会社
生産者の方々との対話会
第十回生産者の方々との対話会(12月12日茨城県水戸市東赤塚にて)
写真2002年12月13日、山形県南陽市で米と果樹を生産されている倉田さんの直売所にて、生産者の方々との対話会を実施しました。まとめ役を引き受けて下さった倉田さん、果樹や米、野菜農家の方々、酪農を営む方々など生産者の皆さま11名にご協力いただきました。また、消費者の方や、商工会の方、牛乳販売店の方など地域の関係者の方々にもご参加いただき幅広い観点からのお話をさせていただきました。雪印側は商品安全監査室、物流センター、人事部、CS推進室、社長室の5名が参加しました。
写真 倉田様の新装された直売所内に18名が輪となり、3時間にわたって対話は行なわれました。はじめに自己紹介のあと、雪印側から分社化による経営形態の変化や、雪印乳業が1月以降、バター・チーズ等乳製品専門会社になることのご説明をしました。続いて生産者の方々からは、昨年秋の無登録農薬問題のこと、雪印乳業への疑問や要望、消費者の方々に伝えたいこと、今後の雪印への期待のお言葉などを頂戴しました。
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ご出席いただきました皆さまに厚く御礼申し上げます。

【生産者の方々からご意見・ご提言】
無登録農薬問題について
今年は無登録農薬の問題があったけれど、普段お客さんに楽しんでもらって、自分も楽しみながら、ぶどう作りをしています。お客様と一緒になった仕事です。だからお客様は皆固定客なので信頼があり、やはり信頼が一番だなと感じました。雪印も大変だと思いますけれど、「これからやるんだぞ!」という気持ちを具体的に示して、工場見学などの機会にお客様に説明していく必要があると思います。
農薬問題では、不安に思っているお客様がいて、買ってくれる人の気持ちがひしひしと伝わってきます。雪印の事件後は、雪印よりも生産者を心配しました。出荷する人の気持ちになって会社もやっていただかないと酪農や農家は困ります。
この秋の農薬問題で売り上げが落ち込んでいます。消費者の信頼を失うということは大変なことです。一部の人間の不法行為に腹も立ちますし、マスコミの過剰とも思える反応も参りました。我が家は何十年も前から発ガン性のある農薬などは使わないようにしています。ですから消費者から信頼がなくなることはなく、「あなたの家で作ったものは信頼がある」と言ってくださってありがたいなと思いました。この先、雪印の方も信頼回復ということですけれど、原点に戻るということだと思います。
雪印への疑問、要望
雪印には女性のスタッフはいないのでしょうか?今日の対話会も、女性がいるのだろうと思っていたら、5名全員が男の人だったので驚きました。5人の内1人はいるかなと思ったんですが。食に関わるのは女性が多いし、消費者は女性が中心です。企業は男が今まで動かしてきたのでしょうけれど、企業が変わろうとしている時には女の人こそが必要だと思います。
女性は一般的に組織の中での出世街道などはあまり意識しないと思うので、普段の生活に近い感覚で仕事をします。だから食品メーカーは特にそういうところを活かせば良いと思います。現場で働く女性ばかり増やしても要所要所の責任者は男であったりすると意味がないと思います。
農家での野菜などは自分達で直接売りに行くことができますけれど、酪農だけはできません。ですから会社が、農家に入って行く必要があります。本当の農家とのつながりが難しいです。新入社員が農家に直接来て1週間ぐらい実習してもらうだけでも、すごく分かってもらえることがあると思います。
事件以降、いろんなことがうやむやになってしまっているので、どうなっているのかなと思います。「雪印は変わりました、消費者と向き合う活動をしています」とか聞きましたけれど、実際消費者には分かりません。
命あるものから取れるものが、すごく安く扱われているような気がします。牛に餌をあげて、牛が子供を育てるために出すお乳をすごく安く売るというのが、ものすごく腹立たしいです。
雪印の事件のようなことは二度と起きて欲しくないけれど、世の中ではいろんな事故や事件が「二度と起こしません」と言っていて起きてしまいます。雪印はこれから先絶対に起きないとは言えないと思います。その時にどう対応できるかが大事だと思います。今は一生懸命努力していると思いますが、将来の万が一の時に隠蔽してしまうようなことがもしあれば、もう誰も信用しなくなると思います。「こういうことをやっています。」とアピールだけで終わらないで欲しいです。
消費者に伝えたいこと
今は農薬を使っている外国の安い野菜がたくさん日本に入っているわけで、大方の人は農薬を使っていようが安ければ買うということです。残留農薬があるとは知らないで過ごしている人もたくさんいます。企業は大多数に合わせます。でも、雑貨を売るように食べ物を売るのは良くないと思います。食べ物を売るということと、例えば車を売るということを同列にしてはいけないと思います。消費者も企業ももう一度考えないといけないと思います。
消費者は農家の苦労を知らないで安全に対して無理な要求をしていると感じます。消費者も勉強はしていると言っても生産者の立場や作り方までは知りません。
価格を下げるのが一番だからこういった問題になってくるのです。ですから、消費者の方々に、ものを作るというのがいかに大変かを分かってもらうことが重要です。
今後の雪印への期待
今日の対話会の最初の印象は、管理職の人が来て堅苦しいものだと思っていたけれど、私たちの声を反映してくれるために来てくれたんだと思いました。これからも消費者、生産者のために努力を期待します。
現場と消費者の声を理解して、若い人ががんばる新しい雪印に期待します。
これからも毎年でなくても良いからこういった対話会をしてもらえれば良いなと思います。
土が付いているものを口に入れるまでどれだけ大変な思いをして作っているかということを売る人も絶えずそばに感じていて欲しいと思います。それを忘れない努力を続けて欲しいと思います。
米、サクランボ、ぶどうなどは、作るだけだとすごく楽しいけれども、売り方まで考えると大変です。その辺をこういう対話会で聞けたら助かります。そうやって今後、年に1回でも話ができて、つながっていけたら良いなと思います。


― 対話会に参加した雪印社員の感想 ―
今回初めて山形へ伺い、酪農家や農家の方々とお会いし対話をもてたことはとてもよい勉強になりました。
「どうして酪農家や農家の方々は、直接的に関係のない雪印乳業のことをあれ程真剣に考えてくれたのだろうか?」その気持ちが私の心の中で日に日に大きくなっていくのを感じます。そこには恐らく人間として最も大切な部分があるからなのではないでしょうか。有益か無益かの概念に関係なく相手の立場になって同じ目線でものごとを考えること、子供の頃学校で散々言われつづけてきたことのようにも思えますが、それを実際に言葉や行動で表現するのは難しいことです。
 逆に、我々は今までそのような姿勢を持ちつづけていたのか、という疑問が起こります。今回の対話会を例にとって見ても、私の発言が酪農家や農家の方々の心に響いたとは言えません。後になって気付くというのは大変申し訳ないのですが、今回の対話会があればこそそれを学ぶことができたのだと思います。皆さんの言葉は十分に私の心に響いてきたのですから。
会社に戻ってきてまず最初に考えたことは、是非多くの社員に同じ体験をして欲しいという事です。私の職場はデスクワークが中心で、外へ出て人と接する機会がほとんどありません。電話で話す相手の表情がわからないのです。これを機会に同じ立場の社員の皆さんに、外へ出て相手の目を見て話をしてもらいたいのです。きっとなにかを感じるはずです。
 対話会を一人でも多くの社員が経験し、それをもとに改めて社員同士が対話会を催すことができればきっとよい意見が出ると思います。ものごとに対する視野も広がるような気がします。「雪印の会社としてのビジョンが明確に伝わってこない。」という意見を対話会で頂きましたが、これからは社員一人一人がいろいろなことを体験し、意見を出し合い、それを築いていくべくなのかもしれません。
 いつの日か再び山形の方々とお会いしたときに「雪印は素晴らしい会社になった。」と笑顔で語りあえる日が来るように努力をしたいと思います。
積雪のなか、倉田さんのあたたかい笑顔に迎えられ、参加した人すべてが同じようにあたたかい笑顔で接してくださったことに、感謝の気持ちが一杯です。
山形県は無登録農薬の激震がおこった地であることから、最初から無登録農薬問題、BSE問題、等、食の安全・安心の話で始った対話集会となった。 無登録農薬に言及した人(3名)、BSEについて言及した人(1名)無登録農薬の使用事件は、使ってはいけないことを売る側も使う側も承知の上で輸入して使用していた「確信犯」的であることから、大変なご苦心を推測しておりましたが、出席者の方々は美味しいもの、安全なものをお客さまに提供することに「誇り」を持っておられることを聞き及び感心いたしました。
特に、主な果樹であるラ・フランスの出荷減の実情について「信頼して贈答に使ってくれる顔のわかるお客様」と「マスメディアの情報によってラ・フランス=無登録農薬禍=山形県産、がインプットされている贈ってもらったお客様」、食品を扱うことの難しさについての苦労話もありました。
食の安全と安心に対する具体的な取組みとして、こまやかな心遣いの「顧客アンケ−ト調査実施」の話がありました。
直売農家で、日頃、お客様との接点を持つておられる方が大半で、物を作ることと同じく、売ることの難しさ、お客さまとつながっていくこと、顔が見え、伝わっていくことの大切さのお話もありました。
うまいものには、お客さまが自然とついてくると「自信」と「誇り」にみちた笑顔が輝いていました。
雪印にこれからも「今の気持ち」を大事に社会貢献をして下さい」との激励と期待の言葉、そして何度もいただいたあたたかい笑顔を感謝の気持ちでいただきました。
自然の恵みに感謝しながら生きている人たちとの対話によって「生きる力」をもらった一日となりました。感謝
対話会の参加者は生産者・消費者・自給用生産者の方々とさまざまで、生産者の方も、果樹、米、肉牛など生産品目も多彩で、さまざまな意見を聞かせていただきました。感心することやうなずくことなどいろいろな思いを持ちました。対話が進むにつれ、参加者の皆さんがどんどん積極的にお話をされていく姿を見て、食べ物、そしてそれを作ること食べることに対してとても熱い思いをもたれていると強く感じました。また直売をされている方も多く、ラ・フランスの農薬の使用に関わる報道で山形県全体の果樹の信頼が落ちている中、少数の違反者により全体が悪に見られることの怖さや、直売で築いた信頼関係がマスコミ報道にも負けないという頼もしいお話を聞かせていただき、我々が築こうとしている「信頼」のいろいろな面を知ることができました。
ひとつ残念なのは当社のさまざまな広報内容が十分には届いていないと感じることがかなりあり、より積極的な情報発信をしていく必要があると思いました。

出席者
生産者及び関係者の方々
倉田 泰子さん (米、果樹)
佐藤 智恵子さん(米、果樹)
松木 千恵子さん(米、肥育牛)
島崎 久美子さん(米、果樹)
安達 悦子さん (果樹、米)
川合 和子さん (野菜、米)
井上 和子さん (果樹)
見澤 順子さん (果樹他)
石田 美恵子さん(果樹、米)
須貝 ふみ子さん(米)
渡部 佳子さん (消費者)
船木 真澄さん (牛乳販売店)
奥山 弘昭さん (南陽市商工会)

雪印社員
花形 吾郎(商品安全監査室)
中西 秀幸(東日本物流センター)
山本  洋(人事部)
松本 幹治(CS推進室)
下村 善計(社長室)
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