チーズに関するその他Q&A

チーズのパッケージについている「Protected designation of origin(略称PDO)」や「Appellation d'origine protégée(略称AOP)」のマークは何ですか?
「原産地名称保護制度」の認証を受けた製品であることを示すマークです。「原産地名称保護制度」とは、EUが伝統的な農産物を保護し、消費者に製品の品質を保証するための制度です。産地、原材料、製造方法から完成品まで名乗った産地で定められた規定に従ってつくられ、最終製品も厳しい基準の審査に合格した製品にだけ認証マークを付けることが許可されます。フランスは独自の「原産地呼称統制」Appellation d'Origine Contrôlée(略称AOC)を使用していましたが、2009年5月からはEUが各国の品質保証を統一した「Protected designation of origin(略称PDO)」を採用することになりました。表記は、フランス語を使用した「Appellation d'origine protégée(略称AOP)」表記を採用していますが、マークのデザインは同じです。また現在、AOPチーズは43種あります。(2017年7月現在)

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チーズの硬い皮のような部分は何ですか?食べられますか?
ロウや樹脂などでコーティングしたもの以外はチーズの表面の水分が少なくなり硬くなったものです。硬質チーズをつくるとき、熟成前に塩水につけたり、塩をこすりつけたりして、表面の脱水を促し表皮をつくります。さらに熟成中に布で拭いたり、ブラシをかけたりして硬い皮をつくっていきます。またチーズによっては、表面に湿り気を与えリネンス菌を増殖させて、その菌が出す粘性の物質を堆積し乾燥させる事を繰り返して硬い皮をつくる場合もあります。
硬質チーズの皮は、ロウや樹脂などでコーティングされたものや、汚れていたり、硬くて食感の悪いもの以外は、薄くスライスしたり、チャンク状にして硬い食感を楽しんだり、すり下ろして粉チーズとしてお料理に使うこともできます。
オレンジ色のチーズがありますが、着色しているのですか?
「ミモレット」や「レッド・チェダー」はベニノキの種子から抽出する植物色素のアナトーで着色しています。他に「エポワス」や「リヴァロ」など、ウォッシュタイプのチーズにもオレンジ色をしたチーズがありますが、これらは熟成中にリネンス菌(枯草菌の一種)が繁殖し、チーズのたんぱく質を分解するとともに、オレンジ色の色素を作るためオレンジ色になります。
チーズに旬はありますか?
チーズは1年中楽しむことができる食品ですが、原料となる動物の乳の風味や栄養価は食べるエサや季節、気候に影響されるため、チーズの味も変わってきます。春の乳で作られたチーズは若草のフレッシュ感、夏は青草の青々しい香り、秋から冬は干し草や枯れ草の香ばしさ、と、その季節ならではの風味が感じられるものもあります。そういった意味では、チーズにも旬があると言えます。
山羊の乳で作る「シェーブルチーズ」は、出産を終えた山羊がミルクを出す春から初夏に作られることが多いため、この季節が旬と言えます。
青カビチーズ、白カビチーズ以外のチーズにカビが生えても、おいしく食べられますか?
青カビチーズや白カビチーズは、カビで熟成させています。おいしくて健康に害がないカビだけを選んでいます。青カビチーズや白カビチーズ以外のチーズにカビが生えてしまったら、食べるのはやめましょう。
「粉チーズ(種類別:ナチュラルチーズ)」の原料は「パルミジャーノ・レッジャーノ」だけですか?
「粉チーズ」は「パルミジャーノ・レッジャーノ」をすり下ろしたものとして広く知られていますが、「パルミジャーノ・レッジャーノ」に限らず、「エダム」や「グラナ・パダーノ」などのハード系チーズを乾燥させ、粉末状にしたものです。
「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の違いは何ですか?
「ナチュラルチーズ」は、生乳などを乳酸菌や凝乳酵素で凝固させ、ホエイ(乳清)の一部を除去したチーズです。非熟成タイプと、乳酸菌や酵素の働きによって熟成させた熟成タイプがあります。熟成タイプは時間が経つごとに味の変化が楽しめます。「プロセスチーズ」は、「ナチュラルチーズ」を原料に乳化剤などを加えて加熱して溶かし、再び成形したものです。製造工程の途中で加熱処理を行うため、乳酸菌は死滅しています。そのため、保存中に熟成が進むことがなく、味が均一で保存性に優れています。

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